イエレン米財務長官、ロシア資産売却はウクライナ支援の代わりにならず

イエレン米財務長官はウクライナ向けの緊急支援が連邦議会の承認を得られていないことに触れ、凍結されたロシアの資産約2820億ドル(約42兆4000億円)を差し押さえたり、貨幣化したりする構想が実現するとしても、米国による包括支援の代わりにはならないと強調した。ブルームバーグが伝えた。

同長官はブラジルのサンパウロでインタビューに応じ、「ウクライナに今年必要な援助を提供する議会の代わりになるものはない」と述べたという。

イエレン長官はEUがウクライナに「非常に有意義な資金」を提供し、日本も資金支援しているが、「合わせても十分とは思えない」ものの、こうした資金は包括的な支援を待つウクライナを当面の間、助けることができると指摘した。

共和党指導部が移民政策で政権批判を強める中、ウクライナに600億ドル余りの緊急供与を目指す支援法案は議会で数カ月間にわたり立ち往生している。

イエレン長官は支援がなければウクライナは深刻な資金不足に見舞われる恐れがあると警告。ジョンソン下院議長は今週、バイデン大統領と直接会談したが、ウクライナ支援を認めるのと引き換えに国境政策の変更を要求する姿勢を崩さなかった。