ユーロ週間見通し:もみ合いか、中東情勢の悪化を警戒

■伸び悩み、ECBによる利上げ終了観測強まる

今週のユーロ・ドルは伸び悩み。米長期金利の動向をにらんでユーロ買い・米ドル売りが一時優勢となった。しかしながら、10月24日発表のユーロ圏10月製造業PMI速報値は市場予想を下回ったこと、欧州中央銀行(ECB)は政策金利の据え置きを決定し、利上げ終了との見方が広がったことから、週後半はリスク回避のユーロ売り・米ドル買いが活発となった。取引レンジ:1.0524ドル-1.0694ドル。

「下げ渋りか、今後の米金融政策が手掛かり材料に

来週のユーロ・ドルは下げ渋りか。欧州中央銀行(ECB)による利上げ休止を受けてリスク選好的なユーロ買いは縮小したが、ユーロ圏経済の減速懸念は多少和らいだ。一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で政策金利の据え置きが決まる見込みだが、声明で追加利上げの必要性について言及しなかった場合、ユーロ売り・米ドル買いは縮小しよう。

予想レンジ:1.0400ドル-1.0700ドル

■伸び悩み、ECB金利据え置きや中東情勢悪化でユーロ買い縮小

今週のユーロ・円は伸び悩み。イスラエルのガザ地区への地上侵攻開始に延期が要請されたことから、ユーロ・円は一時160円に接近した。しかしながら、ユーロ圏の経済指標が悪化したこと、欧州中央銀行(ECB)理事会で政策金利の据え置きが決まったことから、週後半はリスク回避のユーロ売り・円買いが優勢となった。イスラエル軍によるガザ地上作戦拡大の報道もユーロ売りの材料となった。取引レンジ:157円89銭-159円92銭。

■もみ合いか、中東情勢の悪化を警戒

来週のユーロ・円はもみ合いか。中東情勢の悪化が警戒されており、リスク選好的なユーロ買い・円売りがただちに拡大する可能性は低いとみられる。日本銀行は10月30-31日に金融政策決定会合を開催し、現行の金融政策を継続する見通し。ただ、今後の修正に向けた動きが示された場合、円売りは縮小しそうだ。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・10月31日:7-9月期域内総生産(4-6月期:+0.5%)
・10月31日:10月消費者物価コア指数(9月:前年比+4.55)

予想レンジ:156円50銭-159円50銭

《FA》