ユーロ週間見通し:伸び悩みか、域内経済の不透明感強まる

■堅調推移、米インフレ緩和でリスク回避のユーロ買い強まる

今週のユーロ・ドルは堅調推移。米インフレ関連指標は市場予想を下回り、年内2回の追加利上げ観測は後退したことを受けてリスク回避的なユーロ買い・米ドル売りが活発となった。欧州中央銀行(ECB)は7月以降も利上げを続ける可能性があるとの見方は変わっていないことも、ユーロ買い材料となったようだ。取引レンジ:1.0944ドル-1.1245ドル。

「もみ合いか、利上げ長期化観測は後退との見方も

来週のユーロ・ドルはもみ合いか。米インフレ緩和を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め観測は後退し、ユーロは昨年3月以来の高値圏に浮上。ただ、欧州中央銀行(ECB)内部で利上げ長期化をめぐり意見が分かれ、域内経済の不透明感が広がっており、リスク選好的なユーロ買い・米ドル売りはやや縮小する可能性がある。

予想レンジ:1.1080ドル-1.1350ドル

■伸び悩み、日銀金融政策修正の思惑強まる

今週のユーロ・円は伸び悩み。日欧金利差拡大観測によるユーロ買い・円売りが一時優勢となったが、ドイツの7月ZEW景気期待指数は市場予想を下回り、欧州経済の先行きへの懸念が浮上。また、日本銀行の7月会合に向けて政策修正思惑が強まったことから、ユーロ売り・円買いが優勢になった。取引レンジ:153円49銭-156円67銭

■伸び悩みか、域内経済の不透明感強まる

来週のユーロ・円は伸び悩みか。欧州中央銀行(ECB)当局者間で追加利上げの必要性をめぐり意見が分かれ、タカ派的な見解を背景としたユーロ買いは縮小しそうだ。域内経済見通しは不透明であるため、米ドル・円相場に大きな動きがなく、新たなユーロ買い・円売り材料が提供されない場合、リスク回避的なユーロ売り・円買いが多少強まる可能性がある。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・特になし

予想レンジ:154円00銭-157円00銭

《FA》