株価指数先物【引け後コメント】 過熱を抑えながら上昇が続くことで、ピーク感は高まりづらい

大阪6月限
日経225先物 30900 +310 (+1.01%)
TOPIX先物 2165.5 +8.0 (+0.37%)

日経225先物(6月限)は前日比310円高の3万900円で取引を終了。寄り付きは3万910円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万905円)にサヤ寄せする格好から、買い先行で始まった。現物の寄り付き直後には、ナイトセッションで付けた高値3万940円まで買われた。ただし、ナイトセッションの高値を超えられず、買い一巡後は利益確定売りで3万680円まで上げ幅を縮めたものの、2021年の高値水準での底堅さが見られた。前場終盤にかけて買い戻され、ランチタイムでは3万860円~3万920円辺りで推移。後場に入り3万760円まで上げ幅を縮めたが、終盤にかけてはショートカバーが強まり、高値圏で取引を終えた。

日経平均株価はギャップスタートで21年9月高値を上放れ、バブル後の戻り高値を更新。買い一巡後は指数インパクトの大きい値がさ株の一角が利食いに押されたこともあり、上げ幅を縮めていた。ただし、日経平均株価も21年9月高値水準での底堅さが見られており、戻り待ち狙いの買い意欲の強さが窺えた。

日経225先物はこう着とはなったが、海外投資家による日本株選好は継続しているようだ。過熱感からショートは入りやすいが、目立った調整を見せておらず、その後のショートカバーにつながっている。また、日経平均株価がバブル崩壊後の高値を更新するなか、出遅れている海外ファンドによる資金流入は継続すると考えられる。

テクニカル面ではボリンジャーバンドの+2σと+3σの切り上がりに沿ったトレンドを継続しているが、+2σは3万670円、+3σは3万1430円辺りに上昇している。本日は利食いに押される局面で+2σ水準まで軟化するなど、過熱を抑えながら上昇を継続することで、ピーク感は高まりづらいだろう。短期的な調整を意識しつつも、+2σ水準での底堅さが見られるようだと、押し目狙いのロングでの対応となろう。

NT倍率は先物中心限月で14.26倍に上昇した。14.11倍辺りに位置する52週移動平均線を明確に上放れてきた。出遅れている海外ファンドの資金流入が意識されるなか、日経平均型のインデックス買いが中心になると考えられ、昨年8月高値14.58倍をターゲットとしたNTロングに向かわせよう。

なお、手口面では、日経225先物は大和が930枚、日産が800枚、ゴールドマンが540枚、BofAが490枚程度の売り越しに対して、バークレイズが1070枚、ドイツが930枚、JPモルガンが570枚、フィリップが460枚程度の買い越しだった。TOPIX先物はSMBC日興が2440枚、BNPパリバが1110枚、HSBCが910枚程度の売り越しに対して、ソジェンが970枚、SBIが830枚、ドイツが780枚、BofAが660枚程度の買い越しだった。