【↓】日経平均 大引け| 5日ぶり反落、米経済減速懸念で利益確定売り優勢 (5月8日)

日経平均株価
始値 29095.46
高値 29144.12(09:15)
安値 28931.81(12:54)
大引け 28949.88(前日比 -208.07 、 -0.71% )

売買高 11億8956万株 (東証プライム概算)
売買代金 2兆9924億円 (東証プライム概算)

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■本日のポイント

1.日経平均は5日ぶり反落、米経済減速や金融不安警戒
2.3日のFOMCでは0.25%の利上げ決定も、想定範囲内
3.個別は半導体冴えず、インバウンド関連が牽引役担う
4.為替市場で円高が進行、輸出セクターには逆風材料に
5.値上がり銘柄が6割占め、売買代金ほぼ3兆円に膨らむ

■東京市場概況

前週末の米国市場ではNYダウは前日比546ドル高と5日ぶりに反発した。米地銀株に買い戻しが流入したほか、決算内容が評価されアップル<AAPL>が上昇し指数を押し上げた。

5連休明けの東京市場では、終始売り優勢。前週末の欧米株市場が大幅高に買われたものの、大型連休中に米国株が波乱含みに下げたことで警戒ムードも漂い、目先筋の利益確定売りを誘発する格好となった。

8日の東京市場は、朝方から売り優勢の展開となり、日経平均は徐々に下げ幅を広げ、フシ目の2万9000円台を割り込んだ。注目された3日のFOMCではFRBが0.25%の利上げを決定した。これは想定通りながら、相次ぐ地銀破綻による金融不安や米景気減速に対する懸念が売りを誘い、NYダウは、東京市場が本日取引開始時まで織り込めていなかった2日から4日までの3営業日で900ドル以上の下落をみせた。前週末5日は550ドル近い急反発をみせたものの、上下にハイボラティリティな米株市場を横目に投資家の警戒ムードが高まった。インバウンド・リオープン(経済再開)関連株の一角が買われ全体を支えたが、取引時間中に外国為替市場で進むドル安・円高がハイテク主力株などに重荷となった。ただ、個別株はプライム市場の値上がり銘柄数が全体の6割を占め、売買代金も3兆円目前まで膨らんだ。

個別では、レーザーテック<6920>が軟調なほか、売買代金2位につけたソニーグループ<6758>も下値を試す展開に。ファーストリテイリング<9983>が売られ、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクも安い。三井物産<8031>が軟調、資生堂<4911>の下げが目立つ。アドウェイズ<2489>が急落、マキタ<6586>、ジャムコ<7408>も大幅安。北の達人コーポレーション<2930>も値を下げた。
半面、JT<2914>が大商いで上値指向、任天堂<7974>、キーエンス<6861>も上昇した。ダイキン工業<6367>が高く、日本製鉄<5401>も堅調だった。東京鐵鋼<5445>はストップ高に買われた。JVCケンウッド<6632>が急騰、ひらまつ<2764>も値を飛ばした。ソシオネクスト<6526>が大幅高。三陽商会<8011>も買いを集め、ダブル・スコープ<6619>は活況高。ウェルネット<2428>も物色人気。

日経平均へのプラス寄与度上位5銘柄はダイキン <6367>、エーザイ <4523>、HOYA <7741>、テルモ <4543>、伊藤忠 <8001>。5銘柄の指数押し上げ効果は合計で約26円。
日経平均へのマイナス寄与度上位5銘柄はファストリ <9983>、ファナック <6954>、第一三共 <4568>、KDDI <9433>、資生堂 <4911>。5銘柄の指数押し下げ効果は合計で約151円。うち102円はファストリ1銘柄によるもの。

東証33業種のうち上昇は19業種。上昇率の上位5業種は(1)空運業、(2)パルプ・紙、(3)海運業、(4)鉄鋼、(5)建設業。一方、下落率の上位5業種は(1)鉱業、(2)銀行業、(3)化学、(4)石油石炭製品、(5)保険業。

■個別材料株

△コメ兵HD <2780> [東証S]
4月度売上高23%増で2ヵ月ぶりプラス。
△クリエイト <3024> [東証S]
通期上方修正と増配を好感。
△ユニネク <3566> [東証G]
4月月次業績を好感。
△イルグルム <3690> [東証G]
子会社が「アマゾン・ペイ」のプラグイン開発事業を譲受。
△東京鉄 <5445> [東証P]
今期大幅増益・増配計画と自社株買いを材料視。
△赤阪鉄 <6022> [東証S]
前期は一転最終増益で着地の見込み。
△ユニポス <6550> [東証G]
5月3日の「ワールドビジネスサテライト」で紹介。
△QBNHD <6571> [東証P]
4月国内既存店売上高12%増。
△いつも <7694> [東証G]
前期経常を69%上方修正。
△リリカラ <9827> [東証S]
1-3月期営業益急拡大し上期計画を大幅超過。

▼テクノフレ <3449> [東証S]
1-3月期減収減益がネガティブサプライズに。
▼Tワークス <3997> [東証S]
第1四半期営業益74%減。

東証プライムの値上がり率上位10傑は(1)東京鉄 <5445>、(2)JVCケンウ <6632>、(3)ひらまつ <2764>、(4)ソシオネクス <6526>、(5)サインポスト <3996>、(6)日リーテック <1938>、(7)新田ゼラチン <4977>、(8)三陽商 <8011>、(9)WSCOPE <6619>、(10)ADWG <2982>。
値下がり率上位10傑は(1)アルインコ <5933>、(2)アドウェイズ <2489>、(3)資生堂 <4911>、(4)千葉興 <8337>、(5)プレミアG <7199>、(6)コーセー <4922>、(7)マキタ <6586>、(8)ジャムコ <7408>、(9)北の達人 <2930>、(10)日本MDM <7600>。

【大引け】

日経平均は前日比208.07円(0.71%)安の2万8949.88円。TOPIXは前日比4.32(0.21%)安の2071.21。出来高は概算で11億8956万株。東証プライムの値上がり銘柄数は1126、値下がり銘柄数は637となった。東証マザーズ指数は755.11ポイント(10.96ポイント高)。

[2023年5月8日]