株価指数先物【引け後コメント】 決算ピークのなかでロングの仕掛けは期待しづらく、2万9000円処での底固め

大阪6月限
日経225先物 28950 -180 (-0.61%)
TOPIX先物 2071.0 -5.5 (-0.26%)

日経225先物(6月限)は、前日比180円安の2万8950円で取引を終了。寄り付きは2万9070円と、シカゴ日経平均先物清算値(2万9100円)にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まった。現物の寄り付き後ほどなくして、2万9150円へと上昇に転じる場面が見られたが、プラスをキープできず、前場中盤以降は2万8930円~2万9000円辺りで保ち合いを継続。後場は終盤にかけて下落幅を縮める場面も見られたが、レンジは超えられず、狭い価格帯での推移だった。

指数インパクトの大きいファーストリテイリング <9983> [東証P]は、4月の既存店売上高の伸びが鈍化したことが嫌気され、3%を超える下げで指数の重荷となった。また、本日は資生堂 <4911> [東証P]が一時5%を超える下落となっており、米化粧品メーカーのエスティ・ローダー<EL>が3日に売上高見通しを引き下げたことが嫌気され急落したため、連想売りにつながったようだ。決算発表がピークを迎えるなか、思惑的な動きも入りやすいため、積極的な売買は手控えられそうだ。

ただし、先物主導で仕掛けてくる動きは限られており、日経225先物の後場の取引は概ね2万9000円を下回っての推移だったものの、オプション権利行使価格の2万8875円まで下げる動きとはならなかった。ボリンジャーバンドの+1σは2万8850円辺りで推移しており、権利行使価格の2万8875円まで調整を見せてくる局面では、押し目狙いのロング対応を意識しておきたい。一方で、+2σは2万9300円辺りで推移しているが、決算ピークのなかでロングを仕掛けてくる動きは期待しづらいことから、引き続き2万9000円辺りでの底固めとなろう。

また、今週は10日に4月の米消費者物価指数(CPI)の発表が予定されているため、投資家心理を神経質にさせそうだ。そのほか、米地銀についても、5日の大幅反発で警戒感は和らいだものの、関連する報道などで荒い値動きを見せてくる可能性は十分考えられるため、狭いレンジでのスキャルピング中心の売買になりそうだ。

NT倍率は先物中心限月で13.97倍に低下した。25日移動平均線が位置する14.01倍を下回ったが、4月以降のレンジ下限水準であり、NTショートの巻き戻しが入りやすい。積極的なスプレッド狙いの動きは限られる前提ではあるが、もう一段の低下を見せてきたとしても、75日線が位置する13.92倍辺りではNTロングを組成する動きが意識されよう。

手口面では、日経225先物はJPモルガンが1150枚、ドイツが1020枚程度の売り越しに対して、ABNアムロが1120枚、ゴールドマンが740枚程度の買い越しだった。TOPIX先物はみずほが850枚、ドイツが730枚、モルガンSが600枚、SMBC日興が550枚、バークレイズが540枚、ABNアムロが510枚程度の売り越しに対して、ソジェンが1630枚、JPモルガンが1160枚、BofAが1060枚程度の買い越しだった。