ワグネルが5月10日にバフムト撤退の構え

ロシアの民間軍事会社ワグネルはウクライナの前線から部隊を撤退させる構えを示した。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が伝えた。人的被害が拡大しているためとしている。近くウクライナ軍による領土奪還作戦が始まると予想される中、ロシア軍指導部との新たな緊張を招きそうだという。

ワグネル創設者のプリゴジン氏は、軍上層部が弾薬を出し惜しみしていると非難した上で、同氏の部隊を5月10日にウクライナ東部バフムトから撤退させると表明した。

プリゴジン氏は交流サイト「テレグラム」に投稿した動画で「ショイグ国防相、ゲラシモフ参謀総長、弾薬はどこだ」と強い口調で問いかけた。また、何列にもわたる戦闘員の遺体の前に立ち、弾薬が提供されていたなら死者は5分の1で済んだはずだと主張した。

ワグネルは激戦の続くバフムトでロシア側の攻撃を主導してきた。プリゴジン氏は書簡で「弾薬がなくて無駄死にになる。ワグネルの部隊を撤退させる」と述べた。

ロシア軍は領内の鉄道、飛行場、燃料貯蔵庫など軍事インフラを狙った一連のドローン(無人機)攻撃により物資不足が慢性化し、劣勢に立たされている。