ユーロ週間見通し:上げ渋りか、日欧金融政策をにらんだ相場展開に

■強含み、米6月利下げの可能性高まる

今週のユーロ・ドルは強含み。欧州中央銀行(ECB)は3月7日開催の理事会で政策金利の据え置きを決定し、ラガルドECB総裁は会見で6月に利下げ開始の可能性があることを示唆した。ラガルドECB総裁の発言を受けてユーロ売り・米ドル買いが一時優勢となったが、8日発表の2月米雇用時計で失業率が上昇したことから、米国の6月利下げ期待は高まり、ユーロ・ドルは1.09ドル台後半まで買われた。取引レンジ:1.0838ドル-1.0981ドル。

■もみ合いか、ECBの6月利下げを見込んだ値動きに

来週のユーロ・ドルはもみ合いか。欧州中央銀行(ECB)理事会で成長率とインフレ率が下方修正され、6月に利下げが開始される可能性が高まった。ただ、現時点で政策金利の大幅な引き下げは議論されていないとみられ、リスク回避的なユーロ売り・米ドル買いがただちに拡大する可能性は低いとみられる。

予想レンジ:1.0830ドル-1.1030

■軟調推移、日欧金利差縮小の思惑強まる

今週のユーロ・円は軟調推移。欧州中央銀行のラガルド総裁は3月7日に行われた会見で6月利下げの可能性があると示唆したこと、日本銀行は今月中にマイナス金利を解除するとの見方が強まったことが要因。週初に163円台半ばまでユーロ高円安に振れたが、日欧金利差縮小の可能性が浮上したことから、週後半はリスク回避的なユーロ売り・円買いが優勢となった。取引レンジ:160円56銭-163円52銭。

■上げ渋りか、日欧金融政策をにらんだ相場展開に

来週のユーロ・円は上げ渋りか。欧州中央銀行(ECB)はユーロ圏の成長率とインフレ率の見通しを下方修正し、6月利下げの可能性が高まった。一方、日本の賃金上昇の可能性が高まり、日本銀行の大規模緩和の修正を期待した円買いが増えているため、リスク選好的なユーロ買い・円売りがただちに拡大する可能性は低いとみられる。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・13日:1月鉱工業生産(12月:前月比+2.6%)

予想レンジ:159円00銭-162円00銭

《FA》