パキスタン軍、イランに的を絞った攻撃を実施

パキスタン軍は18日、隣国イランに「テロリストの潜伏場所」があるとして的を絞った攻撃を実施した。ブルームバーグが伝えた。イラン側がこれより前に越境攻撃を仕掛けており、緊張が高まっている。

パキスタン外務省は声明で、イラン南部シスタン・バルチスタン州のテロリストの潜伏場所に対して攻撃を実施したと説明。今回はパキスタンのバルチスタン州に拠点を置く分離主義組織「ジャイシュ・アル・アドル」に対するイランの攻撃を受けての攻撃だ。

外務省は「今回の行動は、あらゆる脅威から国家の安全を守り抜くというパキスタンの揺るぎない決意の表れだ」と主張した。

イランの半国営タスニム通信によれば、パキスタンによる攻撃で子供4人を含む最大9人が死亡したが、イラン人ではないという。

いずれも中国と近い関係にあるイランとパキスタンは、過去にも関係に緊張が走った時期があったが、今回は状況が特に深刻化している。イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘を巡って中東情勢が混乱する中で、イランとパキスタン両国の当局者は事態が収拾不能に陥るのを回避しようと動いている。

パキスタンはイランの「違法行為」に対応する権利があると主張しているものの、17日にはイラン外相がパキスタン外相に電話をかけ、緊張緩和を図った。