ユーロ週間見通し:下げ渋りか、日本のインフレ見通し引き下げの可能性も

■上げ渋り、ECBによる早期利下げの思惑残る

今週のユーロ・ドルは上げ渋り。米国金利の先安観が強まり、ユーロ売り・米ドル買いの取引はやや縮小したが、欧州中央銀行(ECB)による早期利下げ観測が再浮上し、ユーロ・ドルは1.10ドル手前で上げ渋った。中東情勢のすみやかな改善は期待できないこともユーロの上昇を抑える一因となった。取引レンジ:1.0911ドル-1.0996ドル。

「伸び悩みか、ユーロ圏のインフレ緩和への思惑残る

来週のユーロ・ドルは伸び悩みか。ドイツの低調な経済指標が目立ち、ユーロは積極的に買いづらい。欧州中央銀行(ECB)の議事要旨でインフレ緩和を予想する意見が目立った場合、早期利下げを見込んだユーロ売り・米ドル買いが優勢となりそうだ。中東情勢の悪化が警戒されていることもユーロの上昇を抑える一因となる。

予想レンジ:1.0800ドル-1.1100

■やや強含み、日銀緩和継続予想が支援材料に

今週のユーロ・円はやや強含み。日本銀行は現行の金融緩和策を当面維持する可能性は高いと予想されており、日欧金利差縮小の思惑は後退していることから、リスク回避的なユーロ売り・円買いは縮小した。ただ、欧州中央銀行(ECB)による早期利下げ観測は消えていないため、ユーロ・円の上げ幅は週末前に縮小した。取引レンジ:157円21銭-160円18銭。

■下げ渋りか、日本のインフレ見通し引き下げの可能性も

来週のユーロ・円は下げ渋りか。欧州中央銀行(ECB)による早期利下げ観測は消えていないため、リスク選好的なユーロ買い・円売りがただちに拡大する可能性は低いとみられる。ただ、日本銀行は今月開催の金融政策決定会合で現行の金融緩和策の継続を決める公算。2024年度の日本のインフレ見通しは下方修正される可能性があることから、ユーロは対円で下げ渋る状態が続くとみられる。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・15日:11月鉱工業生産(10月:前月比-0.7%)

予想レンジ:157円00銭-160円00銭

《FA》