株価指数先物【引け後】 円高一服で前日の下げに対するリバランス

大阪3月限
日経225先物 32890 +370 (+1.13%)
TOPIX先物 2328.0 +13.0 (+0.56%)

日経225先物(3月限)は、前日比370円高の3万2890円で取引を終了。寄り付きは3万2670円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万2605円)を上回る形で買いが先行した。寄り付きを安値にリバウンド基調を強め、前場中盤にかけて3万3000円を回復すると3万3040円まで上げ幅を広げ、心理的な抵抗として意識されていた25日移動平均線を捉える場面も見られた。ただし、同線では強弱感が対立し、買い一巡後は3万2930円~3万3010円辺りで保ち合いが続いた。後場半ばには3万2780円まで上げ幅を縮める場面も見られたが、終盤にかけて買い戻された。

日経225先物は、円相場が1ドル=142円台と円高が一服するなか、前日の下落に対するカバーの動きが強まったとみられる。そのため、為替の動向に振られやすく、前場中盤に142円半ばまで円安に振れた時点で日中の高値を付けており、反対にその後141円台を付ける局面では膠着感を強めていた。

日銀の金融政策決定会合を来週に控え、日米金利差を狙ったポジションを解消する流れが意識されており、為替変動を睨んで短期的に仕掛けてくる動きもあったようだ。そのため、日銀会合が通過するまでは為替の動向に神経質になりそうである。

また、テクニカル面では25日線が抵抗線として機能している。同線を明確に上放れてくるとショートカバーを強めてくる可能性はあるものの、イベントの結果待ちといったところだろう。7日には日銀の植田和男総裁による「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになる」との発言が伝わり、金融政策変更を巡る思惑が再燃。円相場が円高に振れ、同日の日経平均株価は急落していただけに、会合後の会見内容に注目が集まっている。

日経225先物はボリンジャーバンドの-1σを突破し、25日線を巡る攻防となったが、-1σが支持線として機能するようであれば、25日線突破から+2σの3万3400円が意識される。一方で、-1σを再び下回ってくると、-2σの3万2320円辺りが目先的なターゲットになりそうだ。

なお、NT倍率は先物中心限月で14.12倍に上昇した。バリュー株のリバランスが強まるなか、寄り付きは14.03倍と若干低下して始まった。ただし、ハイテク株の強い値動きによって次第に日経平均型優位となり、200日線を突破し、8月以来の水準まで上昇している。引き続き為替にらみとはなるが、日銀会合通過後のアク抜けが期待されるなか、NTロングでのスプレッドを取りに行く動きが強まりやすいとみておきたい。

手口面(立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万8381枚、ソシエテジェネラル証券が1万4362枚、サスケハナ・ホンコンが8172枚、SBI証券が4129枚、JPモルガン証券が2735枚、バークレイズ証券が2702枚、日産証券が1540枚、野村証券が1497枚、モルガンMUFG証券が1486枚、松井証券が1350枚だった。

TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が3万2543枚、ソシエテジェネラル証券が1万9397枚、バークレイズ証券が7262枚、JPモルガン証券が6294枚、モルガンMUFG証券が4768枚、サスケハナ・ホンコンが3848枚、ゴールドマン証券が3608枚、ビーオブエー証券が2183枚、UBS証券が1883枚、みずほ証券が1199枚だった。