急激な円高進行が嫌気される【クロージング】

14日の日経平均は4日ぶりに反落。240.10円安の32686.25円(出来高概算18億9000万株)で取引を終えた。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けて、米国株高の流れを引き継ぎ、買い先行で始まり、日経平均は心理的な節目の33000円台を回復して始まり、その直後には33120.55円まで値を上げた。ただ、円相場が一時4カ月半ぶりの水準である1ドル=140円台後半まで円高が進んだため、輸出関連株への売りなどが相場を冷やし、日経平均はマイナスに転じ、後場に入ると32515.04円まで下げ幅を広げた。売り一巡後は、急激な下げの反動から押し目を拾う動きもあり、下げ渋りを見せた。

東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1200を超え、全体の7割超を占めた。セクター別では、サービス、化学、金属製品の3業種を除く30業種が下落。輸送用機器、銀行、保険、海運、電気ガスの下落が際立っていた。指数インパクトの大きいところでは、リクルートHD<6098>、信越化<4063>、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>が堅調だった半面、東エレク<8035>、ダイキン<6367>、TDK<6762>、トヨタ<7203>、ホンダ<7267>が軟調だった。

注目のFOMCでは、政策金利は想定通り据え置かれた。米国市場では、主要株価指数がそろって上伸。金利低下に伴い、ハイテク関連株への資金シフトが目立ち、東京市場でも半導体関連株などを中心に買いが先行した。ただ、金利低下による利ざや改善期待の後退などから金融株に下落する銘柄が目立ち、投資マインドを悪化させる格好となった。また、日米金利差縮小が意識され、円相場が一時1ドル=140円台へと円高が急激に進んだため、自動車や電子部品など輸出関連株にも値を消す銘柄が広がり日経平均の下げ幅は一時400円を超えた。

来週には日銀の金融政策決定会合を控えている。先週の植田和男日銀総裁発言により、政策修正への思惑が拭えないなか、仮にマイナス金利解除といった政策変更に関する動きが出てくるのであれば、円高がさらに進みやすくなり、株式市場には逆風となるだろう。また、それを見越した短期筋の仕掛け的な動きも出てくる可能性があるだけに警戒が必要だ。

《CS》