ダウ平均がデットクロス示現 弱気シグナルか?

前日の米株式市場でダウ平均は小幅高で終わった。ダウ平均は30銘柄のブルーチップの平均株価だが、前日の取引で50日線と200日線のデットクロスが示現している。同日数の移動平均のデットクロス示現は2022年3月以来で、通常は不吉な予兆と解釈される。

米株式市場では50日線を短期トレンド、200日線を長期トレンドと捉える投資家が多く、日本勢が好む25日や75日はあまり見かけない。

ダウ平均は11月に入って反騰の動きが見られているものの、50日線をデットクロスの領域から遠ざけるには不十分だったようだ。要因としては、最近3カ月の連敗が50日線に重くのしかかった半面、今年初めの上昇が200日線を下支えしたことが挙げられる。

上記の通り、デットクロス示現は一般的に弱気シグナルと解釈されるが、一部では強気相場の底値付近で示現することもあり、強気相場であれば実際に買いのチャンスと主張するテクニカル勢もいる。

また、50日線が200日線を下に横切っても、200日線が下に向いていなければ、真のデットクロスとは言えないというテクニカル勢もいる。なお、現状の200日線は真横に走っている状況。

2000年まで遡ると、ダウ平均はデットクロス示現の1年後に平均8.1%上昇し、3カ月後では平均4.6%上昇している。また、過去10回の示現うち8回は3カ月後にダウ平均が上昇しているという。

その意味では、今回は必ずしも弱気シグナルではないのかもしれない。