明日の米CPIをどう見るか? 地合いは株高に反応しやすいとの指摘

市場は明日の米消費者物価指数(CPI)に注目している。アナリストの中には、予想よりも軟調な数字だった場合、米株式市場を上昇させる可能性があり、それは重要なカタリストになる可能性があるとの指摘も出ているようだ。

エコノミストの中には、明日の米CPIの総合指数は前月比で下落を予想している向きも少なくない。コンセンサスは0.1%の上昇。ガソリンの店頭価格が前月比で10%強下落しており、エネルギー価格のCPI全体に占める割合は約7%と小さいものの、前月比での変動幅の大部分を占める可能性があると認識されている。

FRBがあと1回の利上げに踏み切るのかどうかを投資家が見極めようとしている中で、10月の米CPIは重要な岐路となる可能性があるとの指摘も出ている。米CPIの総合指数が低い結果となれば、労働市場における過剰な賃金要求がさらに冷え込むとの期待にも繋がり、市場に落ち着きを与える可能性があるという。

一部からは、明日の米CPIは7月12日に発表された6月分に対する市場の反応が参考になるとの指摘も出ている。その時は、多くがインフレの想定以上の鈍化を期待し、その後にS&P500も7月31日に今年の終値ベースでの最高値を記録していた。

現時点でインフレが株式市場に悪影響を及ぼすには、かなりの再加速が必要との指摘も出ている。つまり、明日の米CPIにおける投資家の意識は株高の方向に偏っているということだという。予想を多少上回る数字であっても、11月に入ってからの反転相場を頓挫させるほどではない。その一方で、軟調な数字であれば、利上げ終了の見方が強まり、株も債券も上向きに反応する可能性が高い。その意味では、米株式市場にとっては有利な地合いとも言える。