ユーロ週間見通し:下げ渋りか、ECB利上げ期待後退も株高円安の可能性

■下げ渋り、米インフレ緩和への期待残る

今週のユーロ・ドルは弱含み。米利上げ終了観測が浮上し、ユーロ買い・ドル売りが一時強まった。ユーロ・ドルは一時1.0640ドルまで買われた。しかしながら、欧州中央銀行(ECB)による利上げ休止の思惑からユーロ売りが優勢となり、一時1.05ドルを下回った。中東情勢は一段と悪化し、一部で安全逃避的なユーロ売り・ドル買いも観測された。取引レンジ:1.0496ドル-1.0640ドル。

「もみ合いか、ECBは追加利上げには消極的

来週のユーロ・ドルはもみ合いか。欧州中央銀行(ECB)はインフレ抑止の姿勢を維持しているが、追加利上げには消極的との見方が広がっている。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)はタカ派的なスタンスを崩していないが、インフレ鈍化を想定してユーロ売り・米ドル買いが一段と拡大する可能性は低いとみられる。

予想レンジ:1.0400ドル-1.0650ドル

■弱含み、中東情勢悪化でリスク回避の円買い強まる

今週のユーロ・円は弱含み。米利上げ終了観測が浮上し、ユーロ買い・円売りが一時優勢となったが、イスラエルが地上作戦を開始したことから中東情勢が悪化し、リスク回避的なユーロ売り・円買いが優勢となった。欧州中央銀行(ECB)による追加利上げ観測の後退もユーロの反発を抑える一因となった。取引レンジ:156円52銭-158円61銭。

■下げ渋りか、ECB利上げ期待後退も株高円安の可能性

来週のユーロ・円は下げ渋りか。欧州中央銀行(ECB)は今月26日開催の理事会で、利上げ休止の公算。それに先立ち10月独ZEW期待指数が低調なら、ユーロ売りが優勢となりそうだ。一方、中東情勢の緊迫化が不安視されるものの、米企業業績の改善による株高ならリスク選好の円売りがユーロを支える見込み。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・特になし

予想レンジ:156円00銭-158円50銭

《FA》