株価指数先物【引け後】 ロング優勢の展開から節目の3万1000円を回復

日経225先物 31020 +620 (+2.03%)
TOPIX先物 2259.5 +50.0 (+2.26%)

日経225先物(12月限)は前日比620円高の3万1020円で取引を終了。寄り付きは3万720円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万710円)にサヤ寄せする形で買いが先行した。買い一巡後に3万550円まで上げ幅を縮める場面もあったが、足もとの大幅な下げに対する値ごろ感もあり、前場終盤にかけて再びロング優勢の展開から、オプション権利行使価格の3万875円水準まで上げ幅を広げた。ランチタイムで3万900円を回復すると後場もリバウンドが継続し、節目の3万1000円を回復した。目先的な達成感が意識されるなか、その後は3万1000円を挟んで保ち合い、現物の大引け時点で3万1080円まで買われる場面も見られた。

日経225先物はボリンジャーバンドの-3σ割れの水準からのリバウンドにより、-2σ水準を回復した。ただし、バンドが下向きで推移しているほか、前日の陰線を埋められなかったことで、自律反発の域は脱していない。まずは節目の3万1000円水準での値固めから、前日の高値水準となるオプション権利行使価格の3万1375円処を試す展開が期待される。また、週足形状では26週移動平均線が3万1370円辺りで推移しており、長い下ヒゲを残しての26週線回復となれば、調整一巡からの仕切り直しも期待されてこよう。

明日は米雇用統計の結果待ちとなるなか、3連休を控えて、リバランス中心の売買にとどまりそうだ。3万1000円回復で、目先的な達成感も意識されやすい。一方で、米ADP雇用統計が予想を下回ったことで、雇用統計においても労働需給の緩和が示され、米金融引き締め長期化への警戒が後退する可能性があり、その場合、リスク選好に向かわせる展開もあろう。基本的には3万1000円水準での膠着と見ておくが、-1σが位置する3万1570円辺りまでのリバウンドの可能性も想定しておきたい。

なお、NT倍率は先物中心限月で13.72倍に低下した。朝方に一時13.80倍と上値抵抗線として意識される25日線を上回る場面も見られた。ただし、東証プライムの騰落銘柄は、9割超が上昇する全面高だったほか、セクターでは東証33業種のうち鉱業のみが下げており、証券やその他金融、不動産、銀行、輸送用機器の上昇が目立つなど、TOPIX型優位の展開だった。米雇用統計を通過した連休明け後に、トレンドに変化をみせてくるかが注目されよう。

手口面では、日経225先物は野村証券が6526枚、ゴールドマン証券が2750枚、JPモルガン証券が2147枚、バークレイズ証券が856枚、大和証券が587枚の買い越しに対して、シティグループ証券が2653枚、ABNクリアリン証券が2381枚、ビーオブエー証券が2051枚、SBI証券が1676枚、ソシエテジェネラル証券が1620枚の売り越しだった。

TOPIX先物は、三菱UFJ証券が1554枚、JPモルガン証券が1233枚、ゴールドマン証券が1161枚、SMBC日興証券が1077枚、野村証券が996枚の買い越しに対して、バークレイズ証券が3550枚、ソシエテジェネラル証券が2758枚、SBI証券が791枚、ABNクリアリン証券が527枚、シティグループ証券が211枚の売り越しだった。

日経225先物では野村証券経由の大幅な買い越しが目立っているが、このところの急激な下落のなかで、ダブルインバースなどのショートが積み上がっていたと考えられ、ヘッジ対応のロングと観測される。