ユーロ週間見通し:下げ渋りか、域内減速懸念も日欧金利差が支援材料に

■弱含み、ユーロ圏8月サービス業PMIは市場予想を下回る

今週のユーロ・ドルは弱含み。8月23日発表のドイツ、ユーロ圏の8月サービス業PMI速報値が経済活動の縮小を示す50割れとなり、ドイツの8月IFO企業景況感指数は市場予想を下回ったことからリスク回避のユーロ売り・米ドル買いが優勢となった。欧州中央銀行(ECB)の9月追加利上げ観測がさらに後退したこともユーロ売りにつながった。取引レンジ:1.0766ドル-1.0930ドル。

■弱含みか、域内経済の減速懸念でユーロ買い縮小も

来週のユーロ・ドルは弱含みか。8月31日発表のユーロ圏8月消費者物価コア指数は7月実績を下回る見込み。欧州中央銀行(ECB)の追加利上げを期待したユーロ買いは縮小か。域内経済の減速懸念もユーロ売りを支援しそうだ。一方、米国のコアPCE価格指数、消費者信頼感指数、雇用統計が市場予想に沿った内容なら米金利高・ドル高基調に。

予想レンジ:1.0600ドル-1.0900ドル

■弱含み、中国経済の先行き不安強まる

今週のユーロ・円は弱含み。一時157円を下回った。一時159円台半ばまでユーロ高・円安に振れたものの、日本政府による円安けん制への警戒感からリスク選好的な円売りは後退。また、ドイツ、ユーロ圏の8月サービス業PMI速報値が経済活動の縮小を示す50割れになり、欧州の景気減速が警戒され、リスク回避のユーロ売り・円買いが優勢となった。取引レンジ:156円87銭-159円49銭。

■下げ渋りか、域内減速懸念も日欧金利差が支援材料に

来週のユーロ・円は下げ渋りか。欧州経済の減速が懸念されるほかユーロ圏の消費者信頼感指数(HCPI)の鈍化が予想される。ただ、日欧金利差は当面維持されることから、リスク回避のユーロ売り・円買いが一段と強まる可能性は低いとみられる。米ドル・円相場に大きな動きがない場合、ユーロ・円は主に158円を挟んだ水準で推移するとみられる。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・8月31日:8月消費者物価コア指数(7月:前年比+5.5%)
・8月31日:7月失業率(6月:6.4%)

予想レンジ:155円50銭-159円50銭

《FA》