株価指数先物【引け後】 ナスダックのリバランス警戒でショート優位の展開

大阪9月限
日経225先物 32240 +100 (+0.31%)
TOPIX先物 2237.0 -1.5 (-0.06%)

日経225先物(9月限)は、前日比100円高の3万2240円で取引を終了。寄り付きは3万2360円とシカゴ日経平均先物清算値(3万2270円)を上回り、買い先行で始まった。現物の寄り付き直後に3万2460円まで買われたが、買い一巡後はシカゴ先物の清算値水準まで上げ幅を縮めた。前場中盤にかけて再びリバウンドを見せたものの戻りは鈍く、戻り待ち狙いのショートに振らされる値動きが目立った。後場に入ると3万2300円水準まで戻した後に、3万2050円まで売られたが3万2000円接近では押し目狙いのロングが入り、ショートカバーも交えて買い戻されてプラスで終えた。

日経225先物は米国市場の反発に加え、需給面で重荷となっていたETFの決算を通過したことで、自律反発狙いのロング優勢で始まった。ボリンジャーバンドの-1σを上回って始まったことでショートカバーを誘ったが、買い一巡後は戻り待ちの売りに押された格好だった。後場は-1σに上値を抑えられて推移するなか、ショート優位となった。

3万2000円接近では売り込みづらくさせたが、ETFの決算に伴う売り需要が通過した後の自律反発としては不安定な値動きであった。米国では米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を決定する上で重要なインフレ指標として位置づける6月の消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)の発表を控えて、様子見姿勢に傾きやすい面はあるのだろう。

また、ナスダックは指数の最大構成銘柄群の割合が基準値を上回ったとして、リバランスを実施すると報じられた。マイクロソフト<MSFT>やアップル<AAPL>、アルファベット<GOOG>、エヌビディア<NVDA>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、テスラ<TSLA>などの指数インパクトが大きくなったためウエート調整を行うとのことである。

東京エレクトロン <8035> [東証P]やアドバンテスト <6857> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株はナスダックとの連動性が高いため、リバランスの影響を見極めたいとのムードも働いたようだ。そのため、しばらくはウエート変更に伴う大型テック株の動向に振られやすくなりそうである。短期的に日経225先物は3万2000円割れを狙ったショートが意識されやすく、ボリンジャーバンドの-2σが位置する3万1780円辺りまでの調整は想定しておきたい。

NT倍率は先物中心限月で14.41倍に上昇した。前日までの調整でボリンジャーバンドの-3σに接近していたが、これまで-3σから反転を見せてきた経緯から、NTショートの巻き戻しが入ったようだ。

手口面では、日経225先物は三菱UFJ証券が1461枚、野村証券が1012枚、ビーオブエー証券が609枚、UBS証券が573枚の買い越しに対して、ソシエテジェネラル証券が1056枚、ABNクリアリン証券が870枚、バークレイズ証券が764枚、JPモルガン証券が548枚の売り越しだった。TOPIX先物はJPモルガン証券が2054枚、ビーオブエー証券が1600枚、UBS証券が1409枚、野村証券が1199枚の買い越しに対して、ゴールドマン証券が2337枚、モルガンMUFG証券が2177枚、バークレイズ証券が1660枚の売り越しだった。