ダウ先物、ナスダック100とも上昇 市場はFRBのタカ派姿勢をやり過ごす=米国株

米株価指数先物(9月限)(NY時間08:53)
ダウ先物 34171(+70.00 +0.21%)
S&P500 4424.50(+7.00 +0.16%)
ナスダック100先物 15146.75(+16.75 +0.11%)

米株価指数先物市場でダウ先物、ナスダック100とも上昇しており、本日は堅調に始まりそうだ。市場はFRBの利上げ継続姿勢をやり過ごし、代わりに堅調な企業業績に注目している。

半導体メモリーのマイクロン<MU>が前日引け後に決算を発表し、予想を上回る第4四半期の売上高見通しを示したほか、メモリー業界の底打ちにも言及した。マイクロン株は時間外で上昇。また、FRBが前日引け後に米大手銀へのストレステストの結果を公表し、米大手銀はすべて合格し、株主還元への道が開けたことも好感されている模様。米大手銀株は時間外で上昇。

パウエルFRB議長は前日のECBフォーラムで、インフレを目標の2%まで引き下げるには、年内に少なくとも2回の利上げが必要だと述べていた。想定通りにタカ派色を強調してきたが、株式市場はやり過ごしている。

4月上旬以来、米経済指標のサプライズの度合いが強まっており、FRBは7月に追加利上げを実施する勢いだ。市場も約85%の確率で見ている。パウエルFRB議長は前日のECBフォーラムで、あと2回の追加利上げの可能性を示唆していたが、9月以降の追加利上げに関しては市場も確証を持てない状況のようだ。半々といったところ。7月26日のFOMCから9月20日のFOMCまで、米雇用統計、米消費者物価指数(CPI)とも2回発表されることから、その結果を確認したい意向が市場では強いものと見られる。

一部からは、「われわれは綱引きを見ている。市場はFRBの発言を受け入れていない。パウエル議長の発言でさえ、株式市場のセンチメントを大きく揺さぶるには至っていない。特にIT・ハイテク株やAI関連企業の業績見通しが劇的に悪化しない限り、市場の楽観姿勢が消えるのを見るのは難しいだろう」との声も出ていた。

依然として米経済はリセッション(景気後退)に向かうというのが市場のコンセンサスだが、現在では、景気後退は懸念されていたよりも深刻なものにはならないとの楽観的な見方が広まっている状況。

しかし、「FRB、経済指標、AIの話、すべてがうまく行かないと、ここからの上値追いは難しい。S&P500はすでに、ほぼ完璧な着地点を想定した値付けになっており、何か問題があれば下落につながる可能性がある」との声も聞かれる。

(NY時間09:03) 時間外
マイクロン<MU> 68.69(+1.62 +2.42%)

JPモルガン<JPM> 140.38(+1.79 +1.29%)
バンカメ<BAC> 28.54(+0.47 +1.67%)
シティグループ<C> 46.36(+0.13 +0.28%)
ウェルズ・ファーゴ<WFC> 41.30(+0.68 +1.67%)
ゴールドマン<GS> 318.30(+4.64 +1.48%)
モルガン・スタンレー<MS> 85.38(+1.39 +1.66%)

アップル<AAPL> 189.34(+0.09 +0.05%)
マイクロソフト<MSFT> 334.86(-0.99 -0.29%)
アマゾン<AMZN> 129.14(+0.10 +0.08%)
アルファベット<GOOG> 120.67(-0.41 -0.34%)
テスラ<TSLA> 259.21(+2.97 +1.16%)
メタ・プラットフォームズ<META> 285.35(+0.06 +0.02%)
AMD<AMD> 111.55(+1.38 +1.25%)
エヌビディア<NVDA> 414.77(+3.60 +0.88%)