OPECがガイアナに加盟打診

南米の小国ガイアナは近年、巨大油田の発見を受けて世界の有力エネルギー企業や金融機関、国家と相次いで関係を構築してきた。そして今度はOPECが同国に熱視線を送っている。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が関係者の話として伝えた。

OPECはガイアナに加盟を打診している。世界で最も成長著しい産油国として台頭する同国に対し、影響力を発揮したい考えだという。

OPEC加盟国の代表2人によると、ここ数カ月の間にサウジアラビアのエネルギー相のアブドルアジズ・ビン・サルマン王子とOPECのハイサム・アルガイス事務局長がガイアナに加盟を呼び掛けた。

ガイアナのバラット・ジャグデオ副大統領はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し、今後数十年で石油需要は減少が予想されるため、目先は生産量と利益を最大化する必要があるとし、現時点では加盟を考えていないと述べた。

「将来の見通しが立たないため、今は可能な限り早く資源を掘り出すことを目指している」とジャグデオ氏は語った。

また、サウジをはじめとするOPEC加盟国がこの数年、原油の世界供給を引き締めて価格を押し上げるために協働していることに言及し、加盟すれば他の参加国に追随せざるを得ない危険性があるとも指摘した。

ガイアナが加盟すれば、OPECにとっては近年で最大の収穫となる。ガイアナは2028年にまでに生産量を日量100万バレル引き上げることを目指しているが、これはOPECの事実上のリーダーであるサウジが同年までに計画している増産と同水準。

OPECへの新規加盟は5年ぶりとなる。ガイアナの人口は100万人未満と加盟国で最も少なく、1人当たりの石油生産量は世界最大級になるとみられる。