ユーロ週間見通し:上昇一服か、日本の円買い介入を警戒

■強含み、ECBによる利上げ継続の可能性高まる

今週のユーロ・ドルは強含み。6月13-14日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で政策金利の据え置きが決定されたことや欧州中央銀行(ECB)による追加利上げを受けてユーロ買い・ドル売りが優勢となった。ウクライナ戦争の長期化はユーロ圏経済を圧迫するとの懸念はあるものの、ECBは7月も追加利上げを行う可能性は高いことから、リスク回避のユーロ売りは一部にとどまった。取引レンジ:1.0733ドル-1.0971ドル。

「伸び悩みか、ECB利上げ継続も景気後退入りの懸念残る

来週のユーロ・ドルは伸び悩みか。6月13-14日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げは見送られたが、年内2回の利上げが想定されており、ドルは売りづらい。一方、欧州中央銀行(ECB)は7月も利上げを行う可能性が高い。ただ、ユーロ圏経済の景気後退入りが警戒されており、追加利上げを期待したユーロ買いは縮小しよう。

予想レンジ:1.0800ドル-1.1050ドル

■大幅高、ECB追加利上げ観測が下支え

今週のユーロ・円は大幅高。欧州中央銀行(ECB)は6月15日開催の理事会で政策金利を0.25ポイント引き上げることを決定したが、ラガルドECB総裁は7月も利上げを行う可能性が高いとの見方を示したことから、リスク選好的なユーロ買い・円売りが活発となった。さらに、日本銀行は15-16日開催の金融政策決定会合で現行の金融緩和策を継続することを決定。日欧の金利差は一段と拡大することから、ユーロ・円は2008年9月以来となる155円台に上昇した。取引レンジ:149円67銭-155円26銭。

■上昇一服か、日本の円買い介入を警戒

来週のユーロ・円は上昇一服か。欧州中央銀行(ECB)は追加利上げを決定し、同時に今後も引き締めを継続する方針でリスク回避のユーロ売りは後退しそうだ。また、日本銀行は現行の金融緩和策を長期間維持することが見込まれ、日欧金利差の拡大が想定されている。ただ、日本政府による円買い為替介入が意識されやすく、もう一段のユーロ高円安は抑制される可能性がある。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・23日:6月ユーロ圏製造業PMI
・23日:6月ユーロ圏サービス業PMI

予想レンジ:153円00銭-157円00銭

《FA》