株価指数先物【引け後】 短期調整を交えながらも、ショートカバーが指数を押し上げる需給状況

大阪9月限
日経225先物 33030 +610 (+1.88%)
TOPIX先物 2263.0 +26.5 (+1.18%)

日経225先物(9月限)は、前日比610円高の3万3030円で取引を終了。寄り付きは3万2640円と、シカゴ日経平均先物(3万2675円)にサヤ寄せする格好から買いが先行した。直後に付けた3万2590円を安値に切り返し、前場に3万2620円~3万2750円辺りの保ち合いを上放れると、ランチタイムでは3万2900円を挟んだレンジ推移となった。後場開始後にショートカバーが強まり一気に3万3080円まで買われ、買い一巡後は3万2920円~3万3020円処で保ち合いを継続した。

日経225先物は、朝方こそ7日につけた3万2660円辺りで売り買いが交錯する場面も見られたが、指数インパクトの大きいファーストリテイリング <9983> [東証P]や東京エレクトロン <8035> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]、アドバンテスト <6857> [東証P]の強い動きが日経平均株価を押し上げたことで、ショートカバーも強まったようだ。急伸後にこう着する場面が幾度かあったが、その都度、下値を切り上げる格好で一段の上昇を見せるなど、押し目買い意欲の強さが意識されていた。

ダブルインバースの建玉が高水準であることから、3万円回復で下落をにらんだ商いが積み上がったと考えられ、引き続きショートカバーが指数を押し上げることになりそうだ。米国では5月の消費者物価指数(CPI)の発表を控えているが、予想通りに減速となれば、米連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げを見送るとの観測が一段と強まることになりそうだ。

日経225先物はボリンジャーバンドの+2σを捉えてきたことから、3万3080円まで買われた後は、+2σを若干下回っての推移だった。ただし、ナイトセッションでは+2σは3万3220円まで切り上がってきており、短期的な調整を交えるとしても、引き続きショートは避けておきたい。また、本日は指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均をけん引していたが、トヨタ自動車<7203>が5%を超える上昇で年初来高値を更新した。出遅れセクターなどで修正の動きも目立ってきており、調整局面での押し目買い意欲は強そうだ。

NT倍率は先物中心限月で14.59倍に上昇し、2022年8月高値の14.58倍を上回った。いったんは達成感からNTロングの巻き戻しが入りやすいと考えられるが、ボリンジャーバンドの+1σを上回り、14.73倍辺りで推移する+2σへのトレンドに向かいそうだ。そのため、目先的にはNTロングの巻き戻しを想定しつつも、+1σに接近する局面では、その後の切り上がりを狙ったNTロングでの対応となろう。

手口面では、日経225先物はABNアムロが1060枚、ソジェンが930枚、BNPパリバが540枚程度の売り越しであり、裁定買い(現物買い・先物売り)に絡んだ商いとみられる。一方で、野村が1220枚、ドイツが650枚、JPモルガンが580枚程度の買い越しだった。野村については、ダブルインバースなどのヘッジに対応した調整買いと考えられる。TOPIX先物はBNPパリバが2950枚の売り越しに対して、モルガンSが1100枚、ドイツが860枚、ゴールドマンが800枚程度の買い越しだった。