カンザスシティ連銀の総裁探しは挫折に直面し2年目に突入

カンザスシティ連銀の新総裁探しは候補者の確保に難航し、今年初めに調査のやり直しを余儀なくされ、2年目に突入している。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が関係者の話として伝えた。同連銀は昨年5月25日に、規則で定めている65歳で引退したジョージ前総裁の今年1月の退任に先立ち、新総裁を選ぶための委員会を発足させたと発表した。

FRB議長始め、FRB理事は大統領によって指名され、上院で承認される。しかし、12の地区連銀総裁は別の方法で選ばれる。ノンバンクの理事6名(通常はその地域の企業、非営利団体、労働団体のリーダー)が、FRB議長の承認を得た上で、各連銀の総裁を選ぶ。カンザスシティ連銀の委員会は、コンサルティング及び人材紹介のエゴン・ツェンダー社をアドバイザーとして起用した。

関係者によると、有力候補と目されていた候補者はこの仕事には興味はないと判断し、調査委員会は困難に直面したという。委員会は一時期、地銀のCEOをトップに据えることに重点を置いていたが、少なくとも1人の候補者は個人的な金融資産の保有制限を知り辞退したという。この制限は銀行への出資をすべて売却することを求めるもので、昨年、2名の地区連銀総裁が疑わしい株取引を行い、その後辞任したことから、最も厳しい規則の1つとなった。

現在は第1副総裁のダバート氏が2月から暫定総裁を務めており、今年開催された3回のFOMCにすべて出席している。