株価指数先物【引け後コメント】 ボリンジャーの+1σ処までの調整を警戒しつつ、押し目狙いのロング対応

大阪6月限
日経225先物 30610 -240 (-0.77%)
TOPIX先物 2147.5 -8.5 (-0.39%)

日経225先物(6月限)は、前日比240円安の3万610円で取引を終了。寄り付きは3万700円とシカゴ日経平均先物清算値(3万680円)にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まった。売り一巡後はリバウンド狙いでロングが優勢となり、現物の寄り付き後ほどなくして、3万860円とプラスに転じる場面もあった。しかし、積極的なロングの動きは限られ、前場終盤にかけて軟化すると、後場の寄り付き時に3万570円まで下落。その後はエヌビディア<NVDA>の決算を控えていることもあってか、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が買い戻され、中盤にかけて3万810円まで切り返したものの買いは続かず、終盤にかけて持ち高調整の売りに押された。

日経225先物は過熱感が警戒されるなか、米国市場の下落がセンチメントを冷ます格好となった。また、中国で新型コロナウイルス感染症が再拡大しており、上海指数やハンセン指数が弱い値動きだったことも神経質にさせたと考えられる。そのため、押し目狙いのロングは入るものの、リバウンドの勢いが鈍る局面では、ショートも入りやすい需給状況だった。また、ナイトセッションで値幅が出やすい一方、日中はナイトセッションで付けた値幅でのこう着を見せているため、ポジションを傾けづらいようだ。

テクニカル面ではボリンジャーバンドの+2σが3万1150円辺りまで切り上がったほか、+1σは3万290円辺りまで上昇してきた。+2σとのカイ離が拡大するなか、+1σ辺りまでの調整も意識されやすく、上値追いの動きを慎重にさせそうである。

ただし、急ピッチの上昇に対する反動であり、押し目待ち狙いの買い意欲は強いと考えられる。米国の債務上限問題はぎりぎりまで決着しないとの見方もなされるなか、相対的に日本株優位の状況は続くとみられ、ロングでのスタンスは維持しておきたい。

NT倍率は先物中心限月で14.25倍に下落した。ただし、ハイテク株が買い戻された半面、空運や陸運セクターといったインバウンド関連が弱い値動きだったこともあり、方向感をつかみづらくさせた。エヌビディアの決算反応次第では、NTの動きにも変化が見られそうだ。

手口面では、日経225先物は野村が2130枚、ABNアムロが1710枚、BNPパリバが1370枚、みずほが1280枚程度の売り越しに対して、日産が1260枚、ドイツが780枚、ソジェンが780枚、HSBCが770枚、SBIが770枚、BofAが670枚、JPモルガンが520枚程度の買い越しだった。TOPIX先物はBofAが2630枚、みずほが1860枚、シティが1820枚程度の売り越しに対して、ソジェンが1870枚、HSBCが1530枚、ゴールドマンが980枚、ドイツが810枚程度の買い越しだった。