株価指数先物【引け後コメント】 OP権利行使価格の3万1000円~3万1500円にレンジが切り上がる可能性

大阪6月限
日経225先物 31030 +130 (+0.42%)
TOPIX先物 2173.0 +7.5 (+0.34%)

日経225先物(6月限)は、前日比130円高の3万1030円で取引を終了。寄り付きは3万770円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万855円)を下回り、売り先行で始まった。現物の寄り付き直後には3万680円まで売られ、ナイトセッションで付けた安値3万670円に迫る場面も見られた。だが、同水準に位置するボリンジャーバンドの+2σ接近では押し目待ちのロングが入るなか、前場中盤以降はショートカバーが優勢となり、3万780円~3万860円辺りで推移。後場の取引開始直後にレンジを上放れると、中盤にかけて3万1000円を回復。終盤にかけても3万1000円を上回って推移し、現物の大引け間際には3万1090円まで買われる場面もあった。

日経225先物は過熱感が警戒されるなか、前週末の米国市場の下落影響もあって、売りが先行した。持ち高調整の利益確定の売りに加えて、短期的ながらショートも入ったと考えられる。しかし、ボリンジャーバンド+2σのほか、2021年の高値水準に接近する局面では、押し目待ち狙いのロングが入りやすい需給状況だった。後場に入り、米債務上限問題を巡ってバイデン米大統領と共和党のマッカーシー下院議長が22日に会談する見通しと報じられると、協議の進展期待が高まったようだ。海外投資家による日本株選好の動きは継続していると考えられ、ショートは仕掛けづらい需給状況だ。

テクニカル面ではボリンジャーバンドの+2σが3万930円辺りに切り上がり、+3σは3万1760円辺りまで上昇した。3万1000円を回復したものの、+2σ近辺に位置しているため、ピーク感は出ていないだろう。節目の3万1000円回復で心理的には達成感が意識されやすいが、+2σに接近する局面では、押し目狙いのロング対応になりそうだ。オプション権利行使価格の3万1000円~3万1500円にレンジが切り上がる可能性もあるため、まずは3万1000円およびボリンジャーバンド+2σ水準での底堅さを見極めたいところだろう。

なお、NT倍率は先物中心限月で14.27倍に上昇し、一時14.29倍まで切り上がった。朝方は前週の急ピッチの上昇でボリンジャーバンド+3σを上回ったことで、過熱感からNTロングのリバランスが優勢だった。しかし、後場に入り日経平均型の買いが入ったため、NTロングでのスプレッドを狙ったトレードが強まった。再びボリンジャーバンド+3σを捉えており、NTロングが優勢ながら、目先的には+2σが位置する14.20倍辺りでの押し目を狙いたいところである。

手口面では、日経225先物はソジェンが1820枚、野村が890枚、ABNアムロが730枚、日産が400枚程度の売り越しに対して、JPモルガンが1440枚、ドイツが980枚、バークレイズが880枚、モルガンSが550枚程度の買い越しだった。TOPIX先物はモルガンSが910枚、JPモルガンが750枚、BNPパリバが730枚、ソジェンが620枚程度の売り越しに対して、バークレイズが630枚、野村が510枚、ゴールドマンが510枚、UBSが510枚程度の買い越しだった。