株価指数先物【寄り前】 トランプ政権の関税政策が重荷となり25日線での攻防

大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 37450 -50 (-0.13%)
TOPIX先物 2761.0 -10.0 (-0.36%)
シカゴ日経平均先物 37435 -65
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

20日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。米連邦準備理事会(FRB)が19日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、予想通り政策金利を据え置くことを決めた。同時に公表したFOMC参加者の政策金利見通しで年2回の利下げ見通しを維持したことを好感した買いが継続し、NYダウは一時200ドル超上昇する場面もみられた。ただし、トランプ米大統領がFRBは利下げすべきだと自身のSNSに投稿したほか、相互関税を導入する予定の4月2日を「米国開放の日」とコメントしたことで、貿易摩擦の激化や世界経済の混乱を引き起こすとの懸念が重荷となった。

NYダウ構成銘柄では、IBM<IBM>、ナイキ<NKE>、ウォルト・ディズニー<DIS>、スリーエム<MMM>、シスコシステムズ<CSCO>が下落した一方で、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、ハネウェル・インターナショナル<HON>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、エヌビディア<NVDA>が買われた。

シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比65円安の3万7435円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中比90円安の3万7410円で始まり、その後は3万7550円〜3万7700円辺りでのレンジ推移を継続。FOMC参加者の政策金利見通しやパウエルFRB議長が長期にわたり量的引き締めを続ける考えを示したことが材料視され、終盤にかけて3万7780円まで買われる場面もみられた。

ただし、祝日取引で3万7600円を挟んだ狭いレンジでの推移が続くなか、夕方辺りから下へのバイアスが強まり、20日の米国市場の取引開始時には3万7160円まで売られた。終盤にかけて持ち直し、3万7450円で取引を終えている。

シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることになりそうだ。ナイトセッションで一時3万7780円まで買われ、25日移動平均線(3万7680円)を上回る場面もあったがキープできず、結局は同線が抵抗線として機能した形だった。そのため、ボリンジャーバンドの-1σ(3万6810円)と中心値(25日)でのレンジが意識されやすいだろう。トランプ米大統領による関税政策に対する警戒が根強いなか、25日線突破を狙ったロングは限られそうだ。

また、週末要因から積極的な売買は手控えられやすく、引き続きスキャルピング中心のトレードになろう。もっとも、日米の金融会合が通過したことでアク抜けも意識されやすく、3万7000円接近では押し目待ち狙いのロングが入りやすいと考えられるため、オプション権利行使価格の3万7125円から3万7625円でのレンジを想定する。25日線を明確に上抜けてくるようだと、3万7625円から3万7875円でのレンジに移行しよう。

20日の米VIX指数は19.80(19日は19.90)に低下した。FOMCの結果を受けた米株高のなか、19日に支持線として意識されていた25日線を下抜け、20.00を割り込んだ。20日は一時同線を上回る場面もみられたが、その後の低下により連日で20.00を下回ったことで、リスク選好に向かわせやすい。

19日のNT倍率は先物中心限月で13.53倍に低下し、2023年9月下旬以来の13.60倍を下回ってきた。いったんはボトム形成が意識されてくる可能性はありそうだが、足もとでのボトム水準を下抜けてきており、NTショートの動きが一段と強まる可能性があるだろう。