株価指数先物【寄り前】 -1σ上抜けでショートカバーが強まりやすい

大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 37270 +410 (+1.11%)
TOPIX先物 2719.5 +28.0 (+1.04%)
シカゴ日経平均先物 37360 +500
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

14日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。14日夜に失効する米連邦政府のつなぎ予算を巡り、政府機関の一部閉鎖が回避される可能性が高まったことが投資家心理の改善につながった。また、足もとの下落でNYダウは昨年9月以来の安値をつけたほか、機関投資家がベンチマークとするS&P500指数は52週移動平均線を明確に割り込み、2月高値からの下落率が10%を超えたことで、調整局面入りのシグナルを発していた。米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、持ち高調整に伴う買い戻しが入ったようである。

NYダウ構成銘柄では、エヌビディア<NVDA>の上昇率が5%を超えたほか、アメリカン・エキスプレス<AXP>、JPモルガン・チェース<JPM>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、スリーエム<MMM>、セールスフォース<CRM>、マイクロソフト<MSFT>が堅調。半面、ナイキ<NKE>、コカ・コーラ<KO>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>が下落した。S&P500業種別指数は、半導体・同製造装置、自動車・同部品、銀行、エネルギー、ソフトウエア・サービスが上昇。一方で家庭用品・パーソナル用品のみが下げている。

シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比500円高の3万7360円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中比30円安の3万6830円で始まり、直後につけた3万6790円を安値にロング優勢の流れからプラス圏を回復。米国市場の取引開始時に3万7000円に乗せると、終盤にかけて3万7360円まで買われる場面もみられ、3万7270円でナイトセッションの取引を終えた。

シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。トランプ政権の関税政策が世界経済に与える影響が警戒されて積極的なロングは限られるだろうが、これまで上値を抑えられていたボリンジャーバンドの-1σ(3万6900円)をナイトセッションで明確に上抜いており、ショートカバーを誘う形になろう。2月下旬以降は下向きで推移するバンドに沿った調整が続いていたこともあり、トレンド転換が期待されてきそうである。

また、米連邦政府のつなぎ予算については、9月までの新たなつなぎ予算案を議会上院で可決し、政府機関の一部閉鎖は回避された。ロシア・ウクライナ情勢では、ウィトコフ中東担当特使が、トランプ大統領とロシアのプーチン大統領が今週対話をするという見通しを示したと伝えられていることも、ショートカバーを強める形に向かわせよう。

今週は18〜19日に日銀の金融政策決定会合、米国でFOMCが開催される。いずれも金利据え置きが見込まれ、円相場はドル高・円安に振れやすくなりそうだ。日米の金融イベント通過を睨んだ先回り的なカバーが入りやすいとみておきたい。そのため、オプション権利行使価格の3万7000円から3万7500円のレンジを想定する。3万7500円をクリアする局面では、25日線辺りを試す可能性があるため、権利行使価格の3万7875円がターゲットになりそうだ。

14日の米VIX指数は21.77(13日は24.66)に低下した。心理的な分かれ目となる20.00を上回っている状況であり慎重姿勢は崩せないが、同水準に位置する25日線まで低下する局面があれば、カバーが強まる可能性はあるだろう。

先週末のNT倍率は先物中心限月で13.69倍(13日は13.62倍)に上昇した。下向きのトレンドは継続しているが、13.60〜13.80倍辺りのボトム圏での底堅さがみられてきた。エヌビディアなど米半導体株が強い動きをみせるなか、NTショートを巻き戻す動きが入る可能性はありそうだ。