株価指数先物【寄り前】 SQ通過後もスキャルピング中心のトレード

大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 36470 -40 (-0.10%)
TOPIX先物 2668.5 -2.0 (-0.07%)
シカゴ日経平均先物 36450 -60
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

13日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。2月の米卸売物価指数(PPI)は前月比横ばい、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPPIは前月比0.1%低下し、昨年7月以来のマイナスだった。インフレ再燃への過度な懸念を和らげる内容だった。

一方で、トランプ政権による関税発動に対し、欧州連合(EU)やカナダが対抗措置を発表。さらにトランプ米大統領は報復措置として欧州産のワインなどアルコール類に200%の関税を課すと自身のSNSに投稿するなど、関税の応酬による景気減速懸念から、主力株を中心に売り優勢の相場展開になった。また、米連邦政府のつなぎ予算の失効が迫っており、政府機関が一部閉鎖するリスクが警戒されたほか、ウクライナ情勢を巡る不透明感も重荷になったとみられる。

NYダウ構成銘柄では、セールスフォース<CRM>、ホーム・デポ<HD>、アップル<AAPL>、スリーエム<MMM>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が売られた。半面、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>、トラベラーズ<TRV>、メルク<MRK>、シェブロン<CVX>が上昇。

シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比60円安の3万6450円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中比10円高の3万6520円で始まり、その後はロング優勢の流れのなか、3万6780円まで買われた。買い一巡後は3万6500円〜3万6700円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の取引開始後はショート優勢のなかで3万6300円まで下げ幅を広げる場面もあった。終盤にかけてショートカバーが入り、3万6470円でナイトセッションの取引を終えた。

シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることになりそうだ。貿易戦争激化による世界経済に与える影響への警戒から積極的なロングの動きは限られるだろう。前日にはボリンジャーバンドの-1σを捉える場面もみられたが、その後の失速によって下向きで推移する-1σと-3σでのレンジ内での推移が続きそうだ。6月限の-1σは3万6910円辺りに位置しており、同水準が抵抗になろう。一方で、直近で-2σからは上放れてきているため、同バンドが位置する3万5960円が支持線として意識されそうだ。

そのため、オプション権利行使価格の3万6000円から3万7000円のレンジを想定する。本日は3月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)となるが、米国市場の下落の影響もあってSQに絡んだ商いは売り越しになりそうである。SQ値が支持線もしくは抵抗線となることでセンチメントに影響するため、SQ値の水準を意識しながらのスキャルピング中心のトレードになるだろう。調整トレンドが継続しているなか、-1σ接近では戻り待ち狙いのショートが入りやすい。

13日の米VIX指数は24.66(12日は24.23)に上昇した。小幅に上昇して始まり、26.13を高値に、23.46まで下げる場面もみられた。20.00を上回っているほか、依然として上向きのトレンドを継続しているが、貿易摩擦への警戒から主要な株価指数が下落するなかにおいては、比較的落ち着いた値動きだった。

昨日のNT倍率は3月限で13.62倍に低下した。6月限では13.67倍となる。朝方はアドバンテスト<6857>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均株価を牽引する形で上昇して始まったが、後場に入り再びNTショートに向かわせる形となった。2023年9月下旬につけた13.55倍が射程に入るなか、NTショートが入りやすい。