株価指数先物【寄り前】 3万7000円固めから押し目狙いのロング対応

大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 37000 +210 (+0.57%)
TOPIX先物 2706.5 +13.5 (+0.50%)
シカゴ日経平均先物 37105 +315
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

12日の米国市場はNYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。2月の米消費者物価指数(CPI)が前月比0.2%上昇と、市場予想(0.3%上昇)を下回ったことで買いが先行し、NYダウの上げ幅は一時280ドルを超えた。しかし、トランプ米政権の関税政策や貿易摩擦への警戒から買いは続かずに失速。鉄鋼とアルミニウムに対する25%の関税を発動したトランプ政権に対抗し、欧州連合(EU)とカナダは報復措置を発表した。世界的な貿易戦争が一段と激化するとの懸念から、NYダウは400ドル超下げる場面もあった。

足もとで下げが目立っていたハイテク株の一角が値頃感から買われており、ナスダックは3日ぶりに反発。半導体SOX指数も3日ぶりに切り返し、上昇率は2%を超えた。NYダウ構成銘柄では、エヌビディア<NVDA>、ボーイング<BA>、セールスフォース<CRM>、アメリカン・エキスプレス<AXP>、スリーエム<MMM>、アマゾン・ドット・コム<AMGN>が買われた。半面、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>、ウォルマート<WMT>、マクドナルド<MCD>、アムジェン<AMGN>が下落。

シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比315円高の3万7105円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比60円高の3万6850円で始まり、ロング優勢のなか、米国市場の取引開始直後には3万7220円まで買われた。買い一巡後に3万6780円まで下押す場面もあったがプラスをキープ、中盤以降は再びロング優勢となり、3万7000円〜3万7200円辺りで保ち合い、3万7000円でナイトセッションの取引を終えた。

シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。トランプ大統領はEUに対して報復する考えであり、貿易戦争の激化が世界経済に与える影響が警戒されて積極的なロングの動きは限られるだろう。ただし、米CPIを無難に通過したことで、ショートカバーを誘う可能性はある。

日経225先物はナイトセッションで3万7220円まで買われた後に3万6780円まで売られたが、その後は3万7000円処での底堅さが意識された。ボリンジャーバンドの-2σ(3万6390円)から上放れる形状となり、-1σ(3万7290円)に接近してきた。バンドは下向きで推移しており、-1σ突破からのトレンド転換は期待しにくいところだが、3万7000円固めからの押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。

また、弱い値動きが続いていたエヌビディアは6%を超える上昇となった。ブロードコム<AVGO>やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>など半導体株の上昇が目立っており、指数インパクトの大きいアドバンテスト<6857>[東証P]や東京エレクトロン<8035>[東証P]への波及が意識されやすく、日経平均型優位の展開が期待されるだろう。

そのため、オプション権利行使価格の3万7000円を中心とした上下の権利行使価格3万6750円から3万7250円のレンジを想定する。-1σを捉えてくる局面ではショートカバーが強まる可能性もあり、3万7500円辺りを短期的なターゲットとしておきたい。

12日の米VIX指数は24.23(11日は26.92)に低下した。小幅に下落して始まり、26.91を高値に、一時23.89まで下げる場面もみられた。20.00を上回っているほか、依然として上向きのトレンドを継続しているが、ショート筋においてはカバーを進めておきたいところであろう。

昨日のNT倍率は先物中心限月で13.66倍に低下した。一時13.78倍に上昇する場面もみられたが、その後はアドバンテストなど半導体株の下げにより、相対的にTOPIX型優位となった。前日の上昇分を帳消しにしており、改めてNTショートに振れやすくなったようだ。本日は米半導体株の上昇を受けてリバランスが入りやすく、前日の低下分を埋めてくる可能性がありそうだ。