株価指数先物【寄り前】 売り一巡後は押し目狙いのロング対応

大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 36520 -240 (-0.65%)
TOPIX先物 2657.5 -14.0 (-0.52%)
シカゴ日経平均先物 36525 -235
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

11日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。トランプ米大統領は自身のSNSで、カナダのオンタリオ州政府が米国に供給する電力に25%の追加料金を課すと発表したことに対抗し、カナダから輸入する鉄鋼とアルミニウムに対する関税を引き上げると投稿した。トランプ大統領が相次いで打ち出す政策への不透明感を背景に主力株を中心に売られ、NYダウの下落幅は一時700ドルを超えた。その後、オンタリオ州政府が25%の追加料金を停止すると伝わったことで下落幅を縮めたが、関税政策が二転三転するなか、不安定な相場展開となった。

NYダウ構成銘柄では、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>、ウォルト・ディズニー・カンパニー<DIS>、マクドナルド<MCD>、IBM<IBM>、アップル<AAPL>が下落。半面、ボーイング<BA>、エヌビディア<NVDA>、セールスフォース<CRM>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、アマゾン・ドット・コム<AMGN>が買われた。

シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比235円安の3万6525円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比30円安の3万6730円で始まり、その後はロング優勢となり、3万6920円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は3万6720円〜3万6870円辺りで保ち合ったが、米国市場の取引開始後にレンジを下抜けると、中盤にかけて3万6110円まで下げ幅を広げた。その後、3万6820円までリバウンドを強めたものの、終盤にかけて軟化し、3万6520円でナイトセッションの取引を終えた。

シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。トランプ大統領のSNS投稿に過剰な反応を示すなか、日経225先物は3万6110円まで売られ、ボリンジャーバンドの-2σ(3万6470円)を下回る場面もみられたが、3万6000円を割り込まなかったほか、終値では-2σを上回っている。楽観視はできないものの、前日の3万5980円までの下落でいったんは底入れが意識されそうだ。

下向きで推移する-2σを挟んだ-1σ(3万7360円)と-3σ(3万5580円)によるレンジ推移が継続しているが、-2σで底堅さがみられてくることで、ショートカバーの動きが入りやすいだろう。また、ウクライナ政府は米国が提示した30日間の停戦案を受け入れたと報じられている。ロシアの出方次第ではあるが、ひとまず地政学リスクが和らぐとの見方につながり、短期筋のショートを手控えさせそうだ。

そのため、オプション権利行使価格の3万6500円を中心とした上下の権利行使価格3万6250円から3万6750円のレンジを想定。-2σ水準で底堅さがみられる局面では3万6500円から3万7000円にレンジが切り上がるとみておきたい。また、-2σを下回って推移し、3万6000円に接近する局面では、押し目狙いのロング対応となろう。

11日の米VIX指数は26.92(10日は27.86)に低下した。一時29.57まで切り上がる場面もみられ、昨年8月5日につけた38.57(高値65.73)が次のターゲットとして意識される可能性はあるものの、その後の低下によって、いったんショートカバーに向かわせやすい。

昨日のNT倍率は先物中心限月で13.76倍(11日は13.70倍)に上昇した。一時13.64倍に低下する場面もみられたが、前場中盤以降は、NTショートを巻き戻す動きが入ったようだ。日経225先物は3万6000円割れ後に下げ幅を縮め、指数インパクトの大きいアドバンテスト<6857>[東証P]が上昇に転じるなか、リバランスに向かわせやすいタイミングになった。11日の米国市場ではエヌビディアが買われたこともあり、NTショートを巻き戻す動きがみられそうだ。