日経225先物 36400 -680 (-1.83%)
TOPIX先物 2661.0 -44.0 (-1.62%)
シカゴ日経平均先物 36475 -605
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
10日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。トランプ米大統領はメディアのインタビューで、関税政策の影響による景気後退入りの可能性を否定しなかったと報じられた。米景気や米政権による関税政策の不透明感から売りが広がるなか、NYダウの下落幅は1100ドルを超える場面もみられた。機関投資家がベンチマークとするS&P500指数は2.69%の下落となり、下値メドとされていた200日移動平均線を明確に下抜け、昨年9月半ば以来の水準まで下げた。
NYダウ構成銘柄では、エヌビディア<NVDA>、アップル<AAPL>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、アメリカン・エキスプレス<AXP>、ウォルマート<WMT>、JPモルガン・チェース<JPM>、セールスフォース<CRM>、マイクロソフト<MSFT>の下げが目立った。半面、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>、スリーエム<MMM>、シェブロン<CVX>、アムジェン<AMGN>、メルク<MRK>が買われた。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比605円安の3万6475円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比60円安の3万7020円で始まり、直後につけた3万7040円を高値にショート優勢の流れのなか、ボリンジャーバンドの-2σ(3万6620円)水準での攻防が続いた。ただし、終盤にかけて同バンドを割り込み、一時3万6170円まで下げ幅を広げる場面もみられた。終了間際にショートカバーが入り3万6550円まで下げ幅を縮める動きもあったが-2σを捉えられず、3万6400円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになりそうだ。トランプ米大統領のインタビュー発言については前日の朝方の時点で織り込まれていたが、米国市場でのネガティブ反応は予想以上だった。S&P500指数は200日線を明確に下抜けたほか、NYダウも同線を割り込む場面もあり、かろうじて200日線水準で終えた。さらにナスダック指数においては52週線を下抜ける形で明確に調整入りとなる。
日経225先物は、下向きで推移するボリンジャーバンドの-2σを挟んだ-1σ(3万7470円)と-3σ(3万5770円)によるレンジで調整を継続している。昨日は-2σを上回って終えたことで-1σが意識されてくることが期待されたが、再び-2σを割り込んだことで-3σとのレンジになりそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万5750円から3万6750円での推移が意識されよう。早い段階で-2σを回復し底堅さがみられるようだと、3万7000円が意識されてくるが、戻り待ち狙いのショートが入りやすい。
また、週末に先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えているが、ボラティリティの高い状況のなかで限月交代に伴うロールオーバーは進みづらく、ヘッジ対応の動きから大きく振らされやすい。ロール以外ではスキャルピング中心の売買になりそうだ。
10日の米VIX指数は27.86(7日は23.37)に上昇した。一時29.56まで切り上がり、昨年12月18日の高値(28.32)を上回る場面もみられた。昨年8月5日につけた38.57(高値65.73)が次のターゲットとして意識される可能性もあるため、ロング解消の動きが強まりやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.70倍(7日は13.59倍)に上昇した。足もとの低下で2023年9月以来の13.60倍を割り込んだほか、7日の米国市場でハイテク株が買われた流れもあって、NTショートを巻き戻す動きが入った形である。13.60倍割れで目先的なボトムが意識されてくる可能性はあるものの、10日の米国市場ではエヌビディアが5%安となるなか、NTショートに振れやすいと考えられる。