日経225先物 37260 +490 (+1.33%)
TOPIX先物 2730.0 +24.5 (+0.90%)
シカゴ日経平均先物 37270 +500
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
7日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。2月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が15万1000人増と市場予想(16万人増程度)を下回った。失業率は4.1%と市場予想(4.0%程度)をわずかに上回った。雇用統計の結果を受けて米経済の減速懸念が高まり、NYダウの下げ幅は一時400ドルを超えた。
ただし、機関投資家がベンチマークとするS&P500指数がおよそ4カ月ぶりに5700を一時割り込み、下値メドとされる200日移動平均線を下回ったことで、売られ過ぎとの見方から買い戻しが入った。前日にはマーベル・テクノロジー<MRVL>が20%下落したことでエヌビディア<NVDA>など他の半導体株に売りが広がったが、この日はブロードコム<AVGO>が決算評価により9%近く上昇したことで半導体株の買い戻しにつながった
NYダウ構成銘柄では、エヌビディアやIBM<IBM>、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>、マクドナルド<MCD>、キャタピラー<CAT>、シェブロン<CVX>、アムジェン<AMGN>が買われた。半面、ウォルマート<WMT>、ボーイング<BA>、JPモルガン・チェース<JPM>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>が軟調。S&P500業種別指数では、半導体・同製造装置、電気通信サービス、公益事業が上昇した一方で、食品・生活必需品小売、銀行、小売が下落した。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比500円高の3万7270円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比100円高の3万6870円で始まり、米国市場の取引開始直後には3万7000円台を回復。買い一巡後は軟化し、中盤にかけて3万6470円と下落に転じる場面もみられた。ただし、終盤にかけてショートカバーを交えて切り返し、3万7270円まで買われ、3万7260円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。ブロードコムの上昇が他の半導体株へ波及する形となり、東京市場でも指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料となりそうだ。日経225先物はナイトセッションでボリンジャーバンドの-2σ(3万6900円)近辺で始まり、3万6470円まで売られる場面もみられたが、中盤以降の切り返しにより同バンドを上回って終えた。3万7000円処での底堅さを見極めつつ、-1σ(3万7670円)を試す展開が意識されてくるため、-2σ近辺では押し目狙いのスタンスに向かわせよう。
しかし、日経225先物は2月下旬以降、下向きで推移するボリンジャーバンドの-2σを挟んだ-1σと-3σ(3万6120円)によるレンジで調整を継続している。-1σに接近する場面をみせてきたとしても、同バンド接近では戻り待ち狙いのショートが入りやすい。半面、-2σを早い段階で割り込んでくるようだと、ショート優勢の流れになりそうだ。
週末に先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控え、限月交代に伴うロールオーバーが中心で仕掛け的なトレードは限られるとみられるが、ボラティリティの高い状況のため、-1σを明確に上抜けてくるとヘッジ対応のロングが強まるだろう。一方で、-2σを割り込むと、-3σに接近する形でショートが加速しそうである。
そのため、オプション特別清算指数算出3万7000円を中心とした上下の権利行使価格である3万6375円から3万7625円と、やや広めのレンジを想定しておきたい。
7日の米VIX指数は23.37(6日は24.87)に低下した。ただし、一時26.56まで切り上がり、昨年12月18日の高値(28.32)が射程に入っている。7日の米国市場が売り一巡後に急速に切り返したことで、VIX指数は低下する形だったが、トレンドとしては下値を切り上げる形状で上昇しているため、慎重姿勢は崩せないだろう。
先週末のNT倍率は先物中心限月で13.59倍(6日は13.70倍)に低下した。昨年8月6日につけた13.65倍を下回っていることで、次のターゲットは2023年9月下旬につけた13.55倍が射程に入る。7日の半導体SOX指数が3%超上昇したことで、本日はNTショートを巻き戻す動きが入りそうだが、方向性は下向きであるため、戻りの鈍さが意識されてくるとNTショートによるスプレッド狙いのスタンスに向かわせそうだ。