10日の市場は日経平均が続伸。終値は前日比207高の3万9367円だった。昨日の米国株は軟調だったものの、外国為替市場で円相場が1ドル=151円台まで下落したことが好感されて、日経平均は開始早々に300円を超える上げ幅を示現した。しかし、買い一巡後はいつものようにだれてしまい前引け辺りでは値上がりをほほ帳消しにする状況。後場からは中国の財政支出拡大期待などから中国上海・香港株が上げて再び買い直されて上げ幅を広げている。
昨日の米国市場は過熱感が意識されるなか小口の手じまい売りが出てダウ平均は3日続落した。今週は物価関連指標の発表が相次ぐとあって、目立った材料の見当たらなかったこの日は引き続き利益確定売りに押される展開。11日に米消費者物価指数、12日に米卸売物価指数の発表があり、足元の景気が強いだけに少し警戒される雰囲気になっている。来週17日〜18日のFOMCで利下げされることは既定路線だが、きちんとインフレ指標を見極めたいところなのであろう。
さて、東京市場は続伸しながらも5日連続で日経平均が陰線を引く先詰まりの状態となっている。3万9000円台のこの水準で戻り待ちの売りはあるものの、下値も着実に拾われるため相場は膠着気味。決して悪い流れではないが米国株や米景気が良いだけに出遅れ感があるのは否めない。また、来年に向けて新大統領を迎える米国との差が開くことは避けられないかもしれない。(ストック・データバンク 編集部)