ユーロ週間見通し:上げ渋りか、引き続き170円台での利食い売りを警戒

■もみ合い、ユーロ圏経済の緩やかな回復への期待残る

今週のユーロ・ドルはもみ合い。欧州中央銀行(ECB)による6月利下げの可能性は一段と高まり、米政策金利の長期間据え置きも想定されたことから、ユーロ売り・米ドル買いが一時優勢となった。ただ、週後半にはユーロ圏経済の緩やかな回復を期待したユーロ買いも観測されており、ユーロ売り・米ドル買いは縮小した。取引レンジ:1.0805ドル-1.0884ドル。

■下げ渋りか、ECBの利下げペースにらみユーロ売り縮小も

来週のユーロ・ドルは下げ渋りか。米連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め的な金融政策への期待でドル選好地合いに変わりはない。ただ、5月31日発表のユーロ圏消費者物価指数が市場予想を上回った場合、欧州中央銀行(ECB)の利下げペースは相当緩やかになるとの見方からリスク回避のユーロ売りは後退しそうだ。

予想レンジ:1.0750ドル-1.0950

■強含み、日欧金利差のすみやかな縮小は予想されず

今週のユーロ・円は強含み。日米金利差の維持を想定して米ドル買い・円売りが強まり、この影響でユーロ・円は170円台半ばまで買われた。欧州中央銀行(ECB)による6月利下げは織り込み済みで7月以降については経済状況次第となることから、日欧金利差がすみやかに縮小するとの思惑は後退したこともユーロ買い・円売りを促す一因となったようだ。取引レンジ:168円99銭-170円50銭。

■上げ渋りか、引き続き170円台での利食い売りを警戒

来週のユーロ・円は上げ渋りか。欧州中央銀行(ECB)の6月利下げはすでに織り込み済み。5月31日発表のユーロ圏消費者物価指数が市場予想を上回った場合、7月以降の利下げペースは緩慢になるとみられる。ただ、170円台では利益確定を狙ったユーロ売りが増える可能性があること、日本の為替介入が一部で警戒されていることから、ユーロは伸び悩む可能性は残されている。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・31日:5月消費者物価コア指数(4月:前年比+2.7%)45.7)

予想レンジ:169円00銭-171円50銭

《FA》