明日の株式相場に向けて=世界を俯瞰しながら日本株を考える(その2)

例えば、工業炉トップの中外炉工業<1964>の業績は好調を極めており、4月末に発表した25年3月期の営業利益は前期比74%増益予想で、配当も前期実績から20円増配となる100円を見込む。PER・PBRともに割安感があり、7日に3545円の高値をつけた後に調整を入れているが、そろそろ狙い場が近づいているように見える。全固体電池関連としてのテーマ性も内包しておりチェックしておきたい。また、九州電との関係密接で存在感を示す正興電機製作所<6653>も好チャート。24年12月期は大幅増収増益で売上高・経常利益ともに過去最高を更新する見通しだが、株価面では最高値が21年2月の2615円で時価とかなりのギャップがある。このほか、好決算発表組で押し目買い妙味のある銘柄としては、航空機などのオペレーティング・リースを手掛けるジャパンインベストメントアドバイザー<7172>や中古車クレジットや自動車保証などを主力展開するプレミアグループ<7199>。また、SNSでの炎上対応などネットセキュリティービジネスを展開するエルテス<3967>の底値離脱を先取りする作戦も面白そうだ。

あすは、株価指数オプション5月物の特別清算指数(オプションSQ)算出日。このほか、3月の家計調査、3月の国際収支、4月の貸出・預金動向などが朝方取引開始前に開示されるほか、午前中に3カ月物国庫短期証券の入札、30年物国債の入札が予定されている。午後取引時間中には4月の景気ウォッチャー調査が開示される。海外では5月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)、4月の米財政収支など。インドネシア市場は休場となる。国内主要企業の決算発表では、資生堂<4911>、オリンパス<7733>、東京エレクトロン<8035>、三井不動産<8801>、NTT<9432>などが予定されている。(銀)