株価指数先物【寄り前】 25日線突破からショートカバーを誘う動きに

大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 38900 +710 (+1.85%)
TOPIX先物 2741.5 +19.5 (+0.71%)
シカゴ日経平均先物 38880 +690
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

6日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。3日に発表された4月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が予想を下回り、2023年10月以来の低い伸びとなった。また、失業率が予想を上回ったことを背景に、利下げ開始時期の先送り懸念が後退した。週明け6日の米国市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が年後半に利下げを開始するとの観測からハイテク株を中心に買われた。

リッチモンド連銀のバーキン総裁が、金利上昇が景気減速につながり、「インフレを当局目標の2%に向かって減速させる」との見解を示したほか、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が「最終的には利下げをするだろう」と述べたと伝わったことも材料視された。S&P500業種別指数は、半導体・同製造装置、自動車・同部品、保険が上昇した一方で、テクノロジー・ハード・機器、食品・飲料・タバコ、家庭用品・パーソナル用品が下落。

シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比690円高の3万8880円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比10円安の3万8180円で始まり、3日の祝日取引では3万7770円~3万8000円辺りのレンジで推移が続くなか、ナイトセッションの時間帯で3万8380円辺りまで上昇した。6日の祝日取引は3万8490円で始まると、その後は3万8540円~3万8640円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを上放れ、終盤にかけて一時3万8910円まで上げ幅を広げ、3万8900円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、ギャップアップで始まることになりそうだ。日経225先物は25日移動平均線が位置する3万8790円を突破してきており、ショートカバーを誘う動きが意識されやすい。今来週は主要企業の決算がピークを迎えるため、買い一巡後は次第に膠着感が強まる可能性はあるが、25日線水準での底堅さがみられるようだと、ボリンジャーバンドの+1σが位置する3万9710円とのレンジに切り上がりそうだ。

まずは買い一巡後の25日線水準での底堅さを見極めたい。25日線水準での上値の重さが意識されてくると、戻り待ち狙いのショートが入りやすくなると考えられる。また、米国では中東情勢を巡り、イスラム組織ハマスがイスラエルとの休戦案を受け入れると伝わったことで買われる場面もみられた。ただし、イスラエル側は提示案と異なるとして、受け入れに難色を示しているようであり、楽観はできない。

そのため、25日線水準を挟んだオプション権利行使価格の3万8750円から3万9250円辺りのレンジを想定する。25日線水準での上値の重さが意識されるようだと、3万8500円から3万8750円辺りで膠着が続くことになりそうだ。

6日のVIX指数は13.49(前日は13.49)だった。4月19日に付けた21.36をピークに低下傾向が続き、直近では75日、200日線辺りでの推移をみせていたが、3日に両線を明確に下放れてきた。支持線水準を明確に割り込んできたことで、リスク選好に向かわせよう。目先的には3月安値12.40に接近する局面がありそうだ。

なお、週末のNT倍率は先物中心限月で14.03倍(前日は14.00倍)だった。低下傾向が続くなか、一時13.95倍を付けており、4月22日の13.97倍を下回ってきた。本日は米ハイテク株が買われた流れを受け、いったんNTショートの巻き戻しが入りそうだ。ただし、テクニカル面では週足の一目均衡表の雲の中での推移であり、雲上限の14.12倍を超えられないと、NTショートを巻き戻す動きは限られるだろう。