S&P500 月例レポート ― ギャング・オブ・フォーが最高値更新を牽引 (3) ―

●米国経済

○2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は52.5となりました。市場予想は51.5でした。

○2月のISM製造業景気指数は47.8となりました。市場予想は49.5で、1月の49.1から低下しました。

○2月のサービス業PMIは52.3となり、市場予想の51.3を上回りました。

○2月のISM非製造業景気指数は52.6となりました。市場予想は53.0でした(1月は53.4)。

○3月のPMI速報値は、製造業PMIが52.5と市場予想の51.8を上回りましたが、サービス業PMIは51.7となり、市場予想の52.0を下回りました。

○2月のCPIは、予想通り前月比0.4%上昇となりました。前年同月比は3.2%上昇となりましたが、市場予想は1月から変わらずの同3.1%上昇でした。コアCPIは前月比0.4%上昇しました。市場予想は同0.3%上昇でした。また、前年同月比は1月の3.9%上昇から同3.8%上昇に低下しました。

○2月のPPIは市場予想の前月比0.3%上昇に対して同0.6%上昇となりました(1月は同0.3%上昇)。前年同月比では1月の0.9%上昇から同1.6%上昇に加速しました。コアPPIは前月比0.3%上昇(1月は同0.5%上昇)、前年同月比では1月と変わらずの2.0%上昇でした。食品、エネルギー、貿易サービスを除いたPPIは前年同月比で2.8%上昇となり、1月の同2.6%上昇を上回りました。

○2023年第4四半期のGDP成長率確報値は、前期比年率3.4%となりました。市場予想は同3.2%でした。

○2023年第4四半期の企業利益の確報値は前期比8.6%増となりました。第3四半期は同0.1%減でした。

○2月の小売売上高は前月比0.6%増となりました。1月は当初発表の同0.8%減から同1.1%減に下方修正されました。

○1月の建設支出は前月比0.2%減となりました。市場予想は同0.2%増でした。また、12月は当初発表の同0.9%増から同1.1%増に上方修正されました。前年同月比では11.7%増となり、12月の同14.4%増から伸びが減速しました。

○2月の鉱工業生産指数は前月比0.1%上昇となりました。1月は当初発表の同0.1%低下から同0.5%低下に下方修正されました。2月の設備稼働率は78.3%に低下しました。1月は当初発表の78.5%から78.3%に下方修正されました。

○1月の貿易収支の赤字額は674億ドルとなりました。12月は642億ドルでした。

○1月の卸売在庫は、市場予想の前月比0.1%減に対し、同0.3%減となりました。12月は同0.4%増となりました。

○1月の製造業受注は前月比3.6%減となりました。市場予想は同3.0%減でした。12月は当初発表の同0.2%増から同0.3%減に下方修正されました。

○2月の耐久財受注は市場予想の前月比1.3%増に対し、同1.4%増となりました。1月は当初発表の同6.1%減から同6.9%減に下方修正されました。

○2月の輸入物価指数は、1月が前月比0.8%上昇したのに対し、同0.3%上昇しました。前年同月比では0.8%低下(1月の同1.3%低下から下落幅は縮小)しました。輸出物価指数は1月と同様に前月比0.8%上昇しました。前年同月比では1.8%低下し、1月は同2.2%低下しました。

○2月のミシガン大学消費者信頼感指数の確報値は、市場予想が当初発表から変わらずの79.6だったのに対し、76.9となりました。1年先のインフレ期待は変わらずの3.0%でした。

○3月のミシガン大学消費者信頼感指数の確報値は、市場予想が当初発表から変わらずの76.5だったのに対し、79.4となりました。1年先のインフレ期待は2.9%で、前月の3.0%から低下しました。

○民間調査機関コンファレンスボードが発表した3月の消費者信頼感指数は104.7となりました。市場予想は2月と変わらずの106.7でした。

○コンファレンスボードが発表した2月の米景気先行指数は前月比0.1%上昇となりました。市場予想は同0.3%低下でした。1月は同0.4%低下しました。

●雇用関係

○2月のADP全米雇用統計では、民間部門雇用者数が14万人増となり、予想の15万人増を下回りました。娯楽・ホスピタリティー分野は4万1000人増でした。1月は当初発表の10万7000人増(市場予想は14万5000人増)から11万1000人増に小幅に上方修正されました。

○2月の雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比27万5000人増と市場予想の同19万人増を再び上回りました。1月は当初発表の同35万3000人増という大幅な増加から同22万9000人増(当初予想は17万人増)に大きく下方修正されました。

⇒2月の失業率は前月比横ばいの3.7%が予想されていましたが、3.9%に上昇しました(12月と11月は3.7%、10月は3.9%、9月は3.8%、なお2020年2月は3.5%でしたが、同年5月は13.3%となりました)。

⇒労働参加率は1月から横ばいの62.5%でした(12月は62.5%、11月は62.8%、10月は62.7%、9月は62.8%)。

⇒2月の週平均労働時間は市場予想の34.2時間を上回る34.3時間となりました。1月は当初発表の34.1時間から34.2時間に上方修正されました(12月は34.3時間、11月は34.4時間、10月は34.3時間、9月は34.4時間)。

⇒2月の平均時給は1月の前月比0.5%増(当初発表は同0.6%増)から同0.3%増へ伸びの低下が予想されていたのに対し、同0.1%増(前月の34.55ドルから34.57ドルに増加)となりました(12月と11月は同0.4%増、10月は同0.2%増、9月は同0.3%増)。前年同月比では予想通り4.3%増となり、1月の同4.4%増(当初発表は同4.5%増)を下回りました(12月は同4.0%増、11月は同4.0%増、10月は同4.0%増、9月は同4.2%増)。

○1月のJOLTS(求人労働異動調査)によると、求人数は886万3000件で、12月の888万9000件(当初発表は902万6000件)を下回りました。

○失業保険継続受給件数(季節調整済み)は、前月の186万2000件から179万5000件に減少しました。

⇒2024年3月7日発表の週間新規失業保険申請件数:21万7000件(当初の発表通り)。

⇒2024年3月14日発表の週間新規失業保険申請件数:20万9000件。

⇒2024年3月21日発表の週間新規失業保険申請件数:21万件。

⇒2024年3月28日発表の週間新規失業保険申請件数:21万件。

●企業業績

○時価総額の99.5%に相当する499銘柄が2023年第4四半期の決算発表を終え、そのうちの369銘柄(73.9%)で営業利益が予想を上回り、497銘柄中332銘柄(66.8%)で売上高が予想を上回りました。第4四半期の最終結果は来週にも明らかになる予定ですが、暫定結果に基づくと、営業利益は前期比3.2%増、前年同期比では7.0%増になると予想されます。

⇒売上高は好調で、前期比4.6%増、前年同期比6.2%増となっており、2023年通年(15兆6000億ドル)で過去最高を更新するだけでなく、2023年第4四半期(初めて4兆ドルを超える見込み)も四半期ベースでの過去最高を更新する見通しです。

⇒2023年第4四半期の営業利益率は、第3四半期の11.15%から小幅に低下して11.00%になると予想されます(1993年以降の平均は8.39%、過去最高は2021年第2四半期の13.54%)。

⇒現時点で、2023年第4四半期中に株式数の減少によってEPSが大きく押し上げられた発表済みの銘柄の割合は12.6%となっています。この割合は、2023年第3四半期は13.8%、2022年第4四半期は19.4%でした。

⇒2023年通年の利益は前年比8.4%増となる見通しで、この予想に基づく2023年の予想株価収益率(PER)は24.6倍となっています。

○2024年第1四半期については、決算期がずれている17銘柄が発表を終え、そのうち15銘柄で営業利益が予想を上回り、16銘柄中8銘柄で売上高が予想を上回りました。2024年第1四半期の利益は前期比0.6%増、前年同期比2.6%増となる見通しです。

○2024年通年の利益は前年比12.5%増が見込まれており、2024年の予想PERは21.9倍となっています。

○2025年通年の利益については、前年比13.9%増になると予想されており、2025年の予想PERは19.2倍となっています。

※「ギャング・オブ・フォーが最高値更新を牽引 (4)」へ続く