株価指数先物【引け後】 ショートカバー狙いのスタンスを想定

大阪6月限
日経225先物 38590 +240 (+0.62%)
TOPIX先物 2640.5 +20.0 (+0.76%)

日経225先物(6月限)は前日比240円高の3万8590円で取引を終了。寄り付きは3万8350円と、シカゴ日経平均先物(6月限)清算値(3万8375円)にサヤ寄せする形から、小動きで始まった。現物の寄り付き後ほどなくして3万8180円まで下落し、売り一巡後は3万8180円~3万8280円辺りでの推移が続いた。ただし、前場中盤以降はロング優勢となり、ランチタイムに25日移動平均線水準を回復。後場の取引開始後に3万8370円まで軟化したが、後場中盤にリバウンドで同線を突破すると、終盤にかけて3万8620円まで上げ幅を広げた。

日経225先物は、売り買い交錯ながらも、朝方に付けた3万8180円を安値に堅調な推移となった。米国で2月の卸売物価指数(PPI)や小売売上高の発表を控えるなか、積極的な売買は手控えられたが、グローベックス米株先物が小幅ながらプラス圏で推移していたほか、為替が1ドル=148円台に接近するなど円安・ドル高に振れたことで、ショートカバーも入ったと考えられる。

また、日銀が上場投資信託(ETF)の新規買い入れの完全停止を検討するとの報道を受けて、来週の金融政策決定会合でマイナス金利の解除に踏み切るといった見方から、金利差を狙ったポジションを巻き戻す動きも警戒されていた。ただし、金融政策の正常化後も緩和的な政策を継続するほか、足もとの調整で織り込みが進展したといった見方もあり、ショートポジションをニュートラルに近づける動きも意識された。

日経225先物は上向きで推移する25日線に沿ったトレンドを形成しているが、ナイトセッションでは3万8600円辺りまで上昇してきた。PPIや小売売上高の結果を受けた米国市場の動向次第の面はあるが、今週は週初に980円安で大きくレンジを切り下げた後は、概ね3万8500円を中心とした保ち合いが続いた。底堅さがみられるなか、来週の日銀の金融政策決定会合、米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、ショートカバー狙いのスタンスを想定しておきたい。

なお、NT倍率は先物中心限月で14.61倍に低下した。朝方に14.58倍に低下した後は、25日線が支持線として機能する形で、ややNTショートを巻き戻す流れだった。ただし、東京エレクトロン <8035> [東証P]やアドバンテスト <6857> [東証P]が終日軟調な推移で日経平均型の重荷となるなか、NTロングによるスプレッドを取りづらくさせた。

手口面(立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万5178枚、ソシエテジェネラル証券が1万1271枚、サスケハナ・ホンコンが5414枚、SBI証券が2713枚、バークレイズ証券が1969枚、ゴールドマン証券が1532枚、JPモルガン証券が1512枚、日産証券が1244枚、野村証券が836枚、auカブコム証券が826枚だった。

TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万5595枚、ソシエテジェネラル証券が1万6353枚、ゴールドマン証券が5289枚、バークレイズ証券が4453枚、サスケハナ・ホンコンが3952枚、JPモルガン証券が3027枚、モルガンMUFG証券が2929枚、ビーオブエー証券が2269枚、UBS証券が2145枚、野村証券が1456枚だった。