来週の為替相場見通し=日銀の3月会合を控え神経質な展開か

来週のドル円相場は、翌週18~19日に開かれる日銀金融政策決定会合を控えて神経質な展開となりそうだ。予想レンジは1ドル=146円00銭~149円00銭。

日銀の植田和男総裁と中川順子審議委員が7日に相次ぎ、2%の物価安定目標の実現に向けて「確度が少しずつ高まっている」と述べたことで、市場参加者の間では日銀が3月の会合でマイナス金利解除に動く可能性が意識されている。来週13日の春闘集中回答や15日の連合第1回集計の結果を受け、政策正常化に踏み切る環境が整ってきたとの見方が市場で広がれば円が一段と買われるだろう。ただ、足もとで円高が進み相当程度織り込まれつつあるとの見方もあり、円の上値余地が限られる可能性もある。

また、19~20日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されることから米経済指標にも注目しておきた。今晩発表される2月の米雇用統計をはじめ、12日の米2月消費者物価指数(CPI)、14日の米2月小売売上高などが市場予想を下回れば、米連邦準備理事会(FRB)が利下げに動きやすくなるとの観測が高まり、米長期金利の低下やドル売りにつながりそうだ。

このほか来週に海外で発表される主な経済指標は、12日にドイツの2月CPI改定値、13日にユーロ圏の1月鉱工業生産、14日に米2月卸売物価指数(PPI)と前週分の米新規失業保険申請件数、15日に米2月鉱工業生産や米3月ミシガン大学消費者態度指数・速報値など。国内では11日に23年10~12月期実質国内総生産(GDP)改定値、12日に2月の国内企業物価指数が公表される予定となっている。