明日の為替相場見通し=日銀の政策修正を見込んだ円買いが出やすい

今晩から明日にかけての外国為替市場のドル円相場は、日銀が3月会合で金融政策の正常化に踏み切るとの観測から円が買われやすいだろう。予想レンジは1ドル=147円50銭~148円50銭。

「今月18~19日に開かれる日銀金融政策決定会合で、一部委員がマイナス金利政策解除が妥当と意見表明する見通し」との報道や、この日に厚生労働省が発表した1月の毎月勤労統計調査で実質賃金が改善したこと、日銀の中川順子審議委員が講演で「2%の物価安定目標の実現に向けて着実に歩を進めている」と発言したことで、市場参加者の間では政策正常化観測が強まっている。日本最大の労働組合の全国組織である連合が夕方、傘下労組の要求賃上げ率が平均5.85%となり、30年ぶりに5%を超えたと発表すると、ドル安・円高が一段と進み148円ラインを割り込んだ。ただ、8日に発表される2月の米雇用統計を控えて一方向には持ち高を傾けにくいとみられ、ドルの下値では押し目買いが入りそうだ。

なお、日本時間今晩に海外で発表される主な経済指標は、前週分の米新規失業保険申請件数、1月の米貿易収支、23年10~12月期の米労働生産性指数(改定値)など。また、欧州中央銀行(ECB)理事会が開かれるほか、パウエル米連邦準備理事会(FRB)の米上院銀行委員会での証言が予定されている。