イエレン米財務長官 ロシア凍結資産をウクライナ支援への転用呼びかけ

イエレン米財務長官はウクライナの防衛能力を強化し、戦後復興に備えるため、ロシアの凍結資産を転用する方法を模索するようG7に呼び掛けた。前に進めるための強力な国際法と経済的、道徳的な論拠があると考える」と長官は述べた。ブルームバーグが、G7財務相会合を控えて公開された事前テキストに基づいて伝えた。

戦争は3年目に入り、終結の気配は見られず、ウクライナの資金需要は依然として高い。G7はウクライナ侵攻直後に凍結したロシアの資産をどうすべきか議論している。

EUとG7、オーストラリアは証券と現金の形で約2600億ユーロを凍結しており、その3分の2以上がEUで保管されている。ロシアがウクライナ復興支援に同意しない限り、これらの資金をロシアに渡さないという点では各国・地域が一致しているが、資産接収の合法性については意見が別れている。

長官は「戦争を長引かせてもロシアは勝てないことを明確に示し、ウクライナとの公正な和平交渉のテーブルに着く動機をロシアに与える」と説明している。

米英はロシア中銀資産の接収をG7同盟国に働きかけているが、フランスとドイツを筆頭に欧州のG7諸国は現在のところ、法的な懸念を理由に接収には反対。危険な前例となるだけでなく、ユーロの安定性にもダメージが及びかねないと懸念している。