株価指数先物【引け後】 +3σへのバイアスを強めてくる可能性も

大阪3月限
日経225先物 38140 +370 (+0.97%)
TOPIX先物 2589.5 +1.5 (+0.05%)

日経225先物(3月限)は前日比370円高の3万8140円で取引を終了。寄り付きは3万8120円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8100円)にサヤ寄せする格好から、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直前には3万8170円まで上げ幅を広げたが、その後は利益確定が優勢となり、3万8000円を挟んだ保ち合いが続くなか、前場終盤にかけて3万7920円まで上げ幅を縮めた。

3万8000円を下回る水準では押し目待ち狙いの買い意欲の強さがうかがえ、ランチタイムで3万8000円を回復すると、後場は3万8010円から3万8100円辺りでのレンジ推移となった。終盤にかけてはショートカバーを交えた上昇により、一時3万8180円まで買われ、朝方に付けた高値を上回る場面も見られた。

日経225先物は買い先行で始まった後は、利食いが優勢となったものの、3万8000円を挟む水準では底堅さが意識されており、終盤にかけてショートカバーを誘った。東証プライム市場の騰落銘柄は値下がり数が1000を超えており、全体の6割超を占めていた。そのなかで、東京エレクトロン <8035> [東証P]、ファーストリテイリング <9983> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]、アドバンテスト <6857> [東証P]の4銘柄で日経平均株価を約390円押し上げており、日経平均型優位の展開だった。

日経平均株価は終値でも約34年ぶりに3万8000円の大台を回復した。過熱感は警戒される面はあろうが、年初からの急ピッチの上昇で買い遅れている投資家を、エントリータイミングの引き上げに向かわせそうだ。日経225先物は前日の高値(3万8250円)を捉えることはできなかったが、チャート上では陰線部分を概ね埋める形状となった。ボリンジャーバンドの+2σは3万8010円に上昇し、足もとで収斂していたバンドが再び拡大傾向を見せており、+3σは3万8820円処に上昇してきている。

オプション権利行使価格の3万8000円から3万8500円辺りのレンジを想定しつつ、3万8250円辺りが支持線として機能する局面では、+3σに向けてバイアスを強めてくる展開を意識しておきたい。

なお、NT倍率は先物中心限月で14.72倍に上昇した。一時14.73倍を付けており、昨年6月高値の14.69倍を上回ってきた。過熱感が警戒されるなかで、昨年来高値を更新してきたことにより、いったんは利益確定に伴うNTロングの巻き戻しも入りそうだ。ただし、方向性としては2021年2月高値の15.68倍がターゲットになるため、NTショートへの切り替えは避けておきたいところだろう。

手口面(立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が3万4094枚、ソシエテジェネラル証券が1万5517枚、サスケハナ・ホンコンが7101枚、JPモルガン証券が2874枚、野村証券が2584枚、SBI証券が2330枚、ゴールドマン証券が2156枚、バークレイズ証券が1972枚、ビーオブエー証券が1823枚、楽天証券が1559枚だった。

TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万6228枚、ソシエテジェネラル証券が1万4698枚、バークレイズ証券が5483枚、サスケハナ・ホンコンが5016枚、モルガンMUFG証券が3545枚、ビーオブエー証券が2976枚、ゴールドマン証券が2791枚、JPモルガン証券が2233枚、野村証券が2072枚、BNPパリバ証券が1273枚だった。