ユーロ週間見通し:上げ渋りか、強弱材料混在で方向感は乏しい

■弱含み、米雇用統計改善でユーロ売り強まる

今週のユーロ・ドルはもみ合い。米長期金利の反発や欧州中央銀行(ECB)による年内利下げ観測を受けてリスク選好的なユーロ買い・米ドル買いは縮小した。ただ、ユーロ圏経済の景気後退入りは回避されるとの見方が強まり、リスク回避のユーロ売りは拡大せず、ユーロ・ドルは下げ渋った。取引レンジ:1.0723ドル-1.0795ドル。

「もみ合いか、インフレ高止まりも米金融政策にらみ

来週のユーロ・ドルはもみ合いか。ユーロ圏の低調な経済指標が続くなか、欧州中央銀行(ECB)の政策金利引き下げに関する見解はまちまち。ユーロは売買交錯で、方向感を欠く展開となりそうだ。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ時期に関する見解も分かれ、米長期金利次第の展開となりそうだ。

予想レンジ:1.0650ドル-1.0900

■下げ渋り、米長期金利上昇で円買い弱まる

今週のユーロ・円は強含み。米長期金利の反発を意識してユーロ買い・米ドル売りは一服した。一方、日本銀行はマイナス金利解除後も緩和的な金融環境を維持する可能性が高いとの見方が強まり、リスク回避の円買いは縮小。週末前はリスク選好的なユーロ買い・円売りが優勢となり、161円台前半まで買われた。取引レンジ:158円92銭-161円26銭。

■上げ渋りか、強弱材料混在で方向感は乏しい

来週のユーロ・円は上げ渋りか。日本銀行はマイナス金利解除の利上げに慎重で、リスク選好的な円売りがただちに縮小する可能性は低いとみられる。ただ、ユーロ域内の経済指標は改善されていないこと、欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーの金利引き下げに関する見解はまちまちであり、経済指標は強弱が混在していることから、ユーロ・円相場は方向感の乏しい値動きとなりそうだ。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・14日:10-12月期域内総生産改定値(速報値:前年比+0.1%)

予想レンジ:158円50銭-162円50銭

《FA》