株価指数先物 【週間展望】 ―決算ピークのなかで+1σ水準での攻防に

今週の日経225先物は、決算発表がピークを迎えるなか積極的な売買は手控えられやすい。決算では大手商社やトヨタ自動車 <7203> [東証P]、任天堂 <7974> [東証P]のほか、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]、東京エレクトロン <8035> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさ株の発表が予定されており、個別決算の影響を受けやすいとみられる。

また、2日の米国市場では主要な株価指数が上昇した。1月の米雇用統計で農業部門雇用者数が前月比35.3万人増と予想(18万人増程度)を上回り、失業率は3.7%と予想(3.8%程度)より強い内容だった。これを受け早期利下げ観測が後退して米長期金利が上昇し、NYダウが下落する場面も見られた。

一方で、米国経済が底堅さを示し、ソフトランディング(軟着陸)に向かっているとの見方を強めた面がある。そのため、売り一巡後は買い優勢の展開となり、NYダウは最高値を更新した。1日の取引終了後に決算を発表したメタ・プラットフォームズ<META>が20%超、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が8%近く上昇しており、マイクロソフト<MSFT>やエヌビディア<NVDA>、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>などに買いが波及し、ナスダック指数は2年ぶりの高値水準を付けた。

米国市場がハイテク株主導で上昇するなか、日経225先物のナイトセッションは日中比280円高の3万6400円で終えた。上向きで推移するボリンジャーバンドの+1σ(3万6450円)に沿ったトレンドを形成しており、週初は+1σ突破を試す展開が期待される。ただ、国内企業の決算発表がピークを迎える影響で、同水準を挟んだ推移となる可能性が高そうだ。東京エレクの決算は週末に予定されており、トレンドが出てくるとすれば翌週がコンセンサスになりそうだ。

そのため、積極的に上値を追うロングは期待しづらい一方で、下値は3万6000円処で底堅さがみられており、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。オプション権利行使価格の3万6000円から3万6500円辺りのレンジを想定し、+1σを明確に上回って推移するようだと、3万6375円から3万6875円辺りのレンジに移行しよう。

なお、米CBSニュースの番組「60ミニッツ」が、1日に行ったパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長のインタビューを4日に放送すると報じられている。利下げ見通しなどを語っていると伝えられており、週明けの米国株や金利市場に影響を与える可能性があり、グローベックスの米株先物の動向を睨んでの展開となりやすい。

週末のVIX指数は13.85(前日は13.88)に低下した。引き続き上向きで推移する25日移動平均線が支持線として機能する一方で、下向きで推移する75日線が上値抵抗として意識されている。両線のカイ離が収斂しているため、トレンドとしては上放れが意識されやすいだろう。もっとも、米連邦公開市場委員会(FOMC)や雇用統計の反応でも75日線を越えられなかったことから、ショートサイドは厳しい状況と考えられ、ショートカバーを強めてくる形でのVIX指数の低下を意識しておきたい。

なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で14.24倍に上昇した。14.20倍で推移する25日線を上回って始まり、一時14.30倍まで切り上げる場面も見られるなど、ハイテク主導の上昇のなか、NTショートを巻き戻す動きとなった。メタやアマゾンの上昇は織り込まれているものの、エヌビディアが最高値を更新している流れにより、25日線を支持線としたNTロングでのスプレッド狙いが入りやすいだろう。

1月第4週(1月22日-26日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週ぶりに売り越しており、売り越し額は5696億円(1月第3週は3980億円の買い越し)だった。なお、現物は4105億円の買い越し(同3841億円の買い越し)と4週連続の買い越しであり、先物は9801億円の売り越し(同139億円の買い越し)と3週ぶりに売り越している。個人は現物と先物の合算で3959億円買い越しで、7週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で2370億円の売り越しとなり、3週連続の売り越しだった。

経済スケジュールでは、5日に中国1月財新サービス業PMI、米国1月ISM非製造業景気指数、6日に12月全世帯家計調査、12月毎月勤労統計、7日に12月景気動向指数、米国12月貿易収支、米国12月消費者信用残高、8日に12月国際収支、1月景気ウォッチャー調査、中国1月消費者物価指数、中国1月生産者物価指数、米国12月卸売売上高、9日にオプションSQ、中国休場(春節、~16日)などが予定されている。

――プレイバック・マーケット――

●SQ値
02月限 日経225 27779.75 TOPIX 1986.19
03月限 日経225 28377.34 TOPIX 2047.32
04月限 日経225 28519.43 TOPIX 2019.76
05月限 日経225 29235.08 TOPIX 2090.33
06月限 日経225 32018.38 TOPIX 2211.13
07月限 日経225 32484.24 TOPIX 2245.68
08月限 日経225 32013.86 TOPIX 2278.68
09月限 日経225 32921.39 TOPIX 2370.93
10月限 日経225 32360.91 TOPIX 2326.75
11月限 日経225 32454.88 TOPIX 2318.99
12月限 日経225 32639.57 TOPIX 2343.77
01月限 日経225 36025.97 TOPIX 2513.46

◆日経225先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
24/03 02月02日 35880 36430 35710 36120 +200
24/03 02月01日 36350 36370 35790 35920 -450
24/03 01月31日 35910 36370 35660 36370 +370
24/03 01月30日 36020 36230 35870 36000 -40
24/03 01月29日 35740 36180 35700 36040 +360

◇TOPIX先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
24/03 02月02日 2528.5 2550.5 2511.5 2536.5 +6.0
24/03 02月01日 2551.5 2554.0 2521.0 2530.5 -23.0
24/03 01月31日 2517.0 2555.0 2510.5 2553.5 +33.0
24/03 01月30日 2528.5 2540.0 2519.5 2520.5 -8.5
24/03 01月29日 2499.0 2536.0 2494.5 2529.0 +34.5

●シカゴ日経平均 円建て
清算値 前日大阪比
02月02日(03月限) 36410 +290
02月01日(03月限) 36120 +200
01月31日(03月限) 35875 -495
01月30日(03月限) 35930 -70
01月29日(03月限) 36125 +85
※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
売り 前週末比 買い 前週末比
01月26日 994億円 +243億円 1兆0802億円 -3013億円
01月19日 750億円 +10億円 1兆3815億円 +388億円
01月12日 740億円 -1億円 1兆3427億円 +616億円
01月05日 741億円 -76億円 1兆2811億円 -327億円
12月29日 817億円 -79億円 1兆3138億円 +5121億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
売り 前日比 買い 前日比
01月31日 4010万株 +46万株 4億5600万株 +69万株
01月30日 3963万株 +310万株 4億5530万株 -355万株
01月29日 3653万株 +833万株 4億5886万株 +334万株
01月26日 2819万株 +236万株 4億5551万株 -2261万株
01月25日 2583万株 +993万株 4億7813万株 -4783万株
01月24日 1589万株 -531万株 5億2596万株 -4087万株
01月23日 2121万株 -606万株 5億6684万株 -612万株
01月22日 2727万株 -186万株 5億7296万株 -1213万株
01月19日 2914万株 -98万株 5億8509万株 +891万株
01月18日 3013万株 +358万株 5億7618万株 +213万株
01月17日 2654万株 -451万株 5億7404万株 -2503万株
01月16日 3105万株 +288万株 5億9908万株 -2282万株
01月15日 2816万株 +257万株 6億2190万株 +4875万株

■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)
【2022年】
1月14日 701億円
1月25日 701億円
2月14日 701億円
3月07日 701億円
4月07日 701億円
5月19日 701億円
6月13日 701億円
6月17日 701億円
12月2日 701億円
【2023年】
3月13日 701億円
3月14日 701億円
10月4日 701億円