米雇用統計、FRBの早期利下げ期待を大きく後退させる

米労働省がこの日発表した1月の米雇用統計で、非農業部門雇用者数(NFP)は35万3000人増と予想を大きく上回った。前回12月分も大幅に上方修正されている。失業率も3.7%の低水準に留まった。ヘルスケア、専門・ビジネスサービス、小売業がけん引した。また、労働参加率も62.5%を維持した。

一方、平均時給は前月から上げが加速し、2022年3月以来の伸びとなった。前月比0.6%、前年比4.5%の上昇。これは労働時間の減少によって押し上げられた可能性が高い。週平労働時間
は34.1時間に減少。1月の米雇用統計の調査週は、多くの地域で経済活動を混乱させる厳しい冬の悪天候が続いた。テキサス州では氷点下、中西部では大雪、北東部では鉄砲水が発生した。悪天候のために働かなかった従業員の数が50万人を超え、過去約3年間で最多となった。

強い米雇用統計により、市場はFRBの早期利下げ期待を大きく後退させている。短期金融市場では早期利下げ期待が後退しており、3月は77%以上の確率で据え置きを織り込んでいる。また、今週のパウエルFRB議長の会見を受けて、利上げ開始の予想コンセンサスの中心となった5月も、利下げ確率を73%程度に低下させている。前日までは90%以上の確率を織り込んでいた。

ストラテジストは「本日の米雇用統計はFRBが利下げを踏み留まることが正当化される。経済は高水準の雇用を生み出すのに十分強い」と述べている。

*米雇用統計(1月)22:30
非農業部門雇用者数
結果 35.3万人
予想 18.0万人 前回 33.3万人(21.6万人から修正)(前月比)

民間部門雇用者数
結果 31.7万人
予想 17.0万人 前回 27.8万人(16.4万人から修正)

製造業雇用者数
結果 2.3万人
予想 0.3万人 前回 0.8万人(0.6万人から修正)

失業率
結果 3.7%
予想 3.8% 前回 3.7%

平均時給
結果 0.6%
予想 0.4% 前回 0.4%(前月比)
結果 4.5%
予想 4.2% 前回 4.3%(4.1%から修正)(前年比)

週平均労働時間
結果 34.1
予想 34.3 前回 34.3

労働参加率
結果 62.5%
予想 62.6% 前回 62.5%