午後にFOMC議事録 市場の期待を正当化するか注目

今週は金曜日の米雇用統計など重要イベントが目白押しで、市場もその情報をもとに短期的な相場の方向感を確認したがっている。その意味でも本日は12月分のFOMC議事録が現地時間の午後(日本時間午前4時頃)に公表される。FRBはそのFOMCで予想外に0.25%ポイントずつなら年内3回の利下げの可能性を示唆し、ハト派サプライズとなった。年内の政策金利が4.625%(4.50-4.75%示唆)に低下すると予測している。

それを受けて市場では早期利下げ期待が一層高まり、今年は0.25%ポイントずつ6回以上の利下げの可能性まで織り込んでいる。どのような状況下でFOMCが年内3回の利下げ予想に踏み切ったのか、またFOMC委員が経済予測を立てるうえでどのような経済データを優先しているのかといった追加的な情報が提供される。

今回の利下げ予測は、インフレが減速を続ける中での予測だ。11月のPCEデフレータは総合指数で前年比2.6%と、22年半ばのピーク7.1%から鈍化している。これまでのところ、失業率は記録的な低水準のまま推移し、昨年の経済成長も平均を上回り、比較的痛みを伴わないインフレ鈍化となっている。

しかし、市場は今年の利下げ回数をFRBの予測の2倍と見ており、FRBがさらに利下げに踏み切ることに賭けている。一部のエコノミストは、FRBは12月までに政策金利を3%以下にする可能性が高いとの見通しを示した。同エコノミストは、インフレがこれまでのFOMC委員の予測を上回るスピードで低下しており、その傾向は今年も続くと見ており、FRBは3月に利下げを開始すると予測している。

パウエル議長はFOMC後の会見で利下げに関する議論が控えていることを否定はしなかった。しかし、その後のFOMC委員の発言を聞いた限りにおいては、市場の利下げ期待をけん制する発言が相次いでいる。

いずれにしろ、市場の期待は行き過ぎとの見方も少なくない中で、果たして本日のFOMC議事録が市場の期待を正当化するか注目される。