米株式市場の前途はリスクと不確実性に満ちている!

サンタクロースは去ってしまったが、米株式市場の年末ラリーは贈り物のようだ。しかし、米株式市場にクリスマスの歓声を与えたのは、サンタクロースではなくパウエルFRB議長だった。今月に行われた年相最後のFOMCで、パウエル議長らは2024年に3回の利下げを実施するとの見通しを示し、予想外のハト派サプライズとなった。

市場もこれを受けて、早ければ3月にも最初の利下げが開始されると見ている。しかし一部からは、FOMCに伴う市場の利下げ期待の変化と年末にかけての米株式市場の上昇加速は2024年に向けて問題も投げかけているとの指摘も出ている。

株価のリスクはいまや下方に偏っているという。FRBが3月に利下げを開始するシナリオは考えにくい。経済指標、あるいはFOMC委員の間の見解の相違によって、利下げが遅れる可能性は十分にあるとしている。

また、株式市場の上昇を長続きさせるために重要なのは、利下げ開始のタイミングだけはでなく、2024年の利下げ幅だという。短期金融市場では、FRBの考えとは違い、来年は0.25%ずつなら6-7回分の利下げを織り込んでいる。それはソフトランディングというよりも景気後退のシナリオで、かなり行き過ぎているという。年末の歓声の割には、株式市場の前途はリスクと不確実性に満ちていると指摘した。