株式に資金流入の一方、MMFは8週間ぶりに流出 必ずしも原動力にはならない!

米大手銀のレポートによると、13日までの週に株式に資金が流入し、現金相当のMMFから流出したことが明らかとなった。MMFからの流出は8週間ぶり。株式に253億ドル、債券に21億ドル、金に4500万ドルが流入。一方、MMFは310億ドルの資金流出となった。

これに対して同米大手銀のストラテジストは、今回のレポートは現金からの大幅な資金流出が来年のリスク資産の更なる上昇の原動力になるとの期待を高めるかもしれないが、経験則では必ずしもそうはなっていないと指摘している。2023年にMMFには1兆2000億ドルが流入し、運用資産は25%増の5兆9000億ドルに達し、最大の資金流入者となった。それでも過去4サイクルの年平均33%増を下回っており、異常な高水準ではないという。

また、利上げサイクルにおけるMMFへの資金流入は、前回のFRBの利上げサイクル終了後も平均14カ月間続いた。今回の利上げサイクル終了が7月だと仮定すると、MMFへの資金流入がピークに達するのは2024年9月ということになるという。

同ストラテジストは、今年のS&P500は23%上昇したにもかかわらず、株式について弱気な見方を崩しておらず、ソフトランディング期待がピークに達する来年前半は、債券とコモディティが最良のヘッジであることに変わりはないという。