ユーロ週間見通し:弱含みか、ECBの早期利下げ観測の影響残る

■軟調推移、ECBは来年前半にも利下げ開始の可能性

今週のユーロ・ドルは軟調推移。一時1.0724ドルまで下落した。ユーロ圏の複数の経済指標が市場予想を下回ったこと、欧州中央銀行(ECB)は来年前半にも利下げを開始する可能性があるとの見方が浮上したことから、リスク回避のユーロ売りが優勢となった。米雇用統計の改善もユーロ売りにつながった。取引レンジ:1.0724ドル-1.0895ドル。

伸び悩みか、ECB政策金利は据え置きの公算

来週のユーロ・ドルは伸び悩みか。12月12-13日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きは織り込まれたが、良好な米雇用統計を受けてドル売り・ユーロ買いは縮小した。欧州中央銀行(ECB)は14日開催の理事会で政策金利の据え置きを決める見込みだが、ECBがインフレ鈍化を認めた場合、来年前半の利下げを想定してユーロ売りがやや強まる可能性がある。

予想レンジ:1.0650ドル-1.0950ドル

■続落、日欧金利差縮小を想定してユーロ売り強まる

今週のユーロ・円は続落。一時153円前半までユーロ安・円高に振れる場面があった。欧州中央銀行(ECB)による早期利下げ観測が浮上していること、日本銀行は金融緩和策の早期修正を検討しているとの見方が広がり、日欧金利差の縮小を想定したユーロ売り・円買いが活発となった。取引レンジ:153円23銭-159円93銭。

■弱含みか、ECBの早期利下げ観測の影響残る

来週のユーロ・円は弱含みか。12月14日開催の欧州中央銀行(ECB)理事会では政策金利の据え置きが決定される見込み。ただ、ユーロ圏のインフレ率は低下し、来年前半の利下げ観測でユーロ売りに振れやすい。次回日銀金融政策決定会合に向け、緩和政策の修正を期待した円買いは続く可能性があることもユーロ・円相場を圧迫することになりそうだ。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・14日:欧州中央銀行(ECB)理事会(主要政策金利は現状維持の公算)
・15日:12月製造業PMI(11月:44.2)
・15日:12月サービス業PMI(11月:48.7)

予想レンジ:153円00銭-157円00銭

《FA》