ユーロ週間見通し:伸び悩みか、ユーロ・ドルの値動きが手掛かり材料に

■堅調推移、米利上げ観測後退でユーロ買い強まる

今週のユーロ・ドルは堅調推移。週初は米追加利上げを警戒したユーロ売り・米ドル買いが優勢となったが、11月14発表の10月米消費者物価指数は市場予想を下回り、米追加利上げの可能性が大幅に低下したことから、リスク回避のユーロ売り・米ドル買いは縮小した。中東情勢の一段の悪化に対する警戒感が低下しつつあることもユーロ買いにつながったようだ。取引レンジ:1.0665ドル-1.0915ドル。

「弱含みか、域内経済の不透明感残る

来週のユーロ・ドルは弱含みか。ユーロ圏11月製造業PMIとサービス業PMIなど主要経済指標が市場予想を下回った場合、欧州中央銀行(ECB)の利上げ再開を期待したユーロ買いは後退するとみられる。米インフレ指標の伸びは鈍化しているものの、米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げの可能性は消えていないため、ドルは売りづらい。

予想レンジ:1.0750ドル-1.1000ドル

■堅調推移、米インフレ緩和でユーロ買い強まる

今週のユーロ・円は堅調推移。米追加利上げが警戒されたことで週初に161円55銭までユーロ安円高に振れる場面があったが、米インフレ緩和を意識したユーロ買い・ドル売りが強まり、この影響でユーロ・円は一時164円台前半まで上昇した。日欧金利差が短期間で縮小する可能性は低いこともユーロ買い材料となった。取引レンジ:161円55銭-164円30銭

■伸び悩みか、ユーロ・ドルの値動きが手掛かり材料に

来週のユーロ・円は伸び悩みか。日欧金利差が意識されるほか、為替介入への警戒は弱まり、ユーロ高・円安に振れやすい展開となりそうだ。ただ、ユーロ圏製造業、サービス業PMIなど経済指標が予想を下回った場合、域内経済の不透明感からユーロ売りが見込まれる。また、ユーロ・ドルがユーロ安に振れた場合、ユーロ・円の下押し要因になりやすい。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・23日:11月製造業PMI(10月:43.1)
・23日:11月サービス業PMI(10月:47.8)

予想レンジ:161円00銭-165円00銭

《FA》